1.東京湾アクアラインの事業概要

東京湾アクアラインは幹線道路網の一環として、首都圏の発展に重要な役割を果たす道路です

プロジェクトの概要

東京湾アクアラインは、東京・横浜・川崎・千葉・木更津などの大都市が沿岸部に位置する東京湾の中央部を横断する、延長約15.1kmの有料道路です。この道路は、首都圏中央連絡自動車道、東京外かく環状道路、東関東自動車道などと一体となって東京都市圏の環状道路の一部を構成し、首都圏の発展に重要な役割を果たします。
東京湾アクアラインは、都心部や周辺部の交通混雑緩和に大きな役割を果たすだけでなく、産業活動の向上にも大きく寄与しています。また情報化時代の潮流に沿って、都市機能の再配置や多核都市化など周辺諸都市の連携を強め、新しい都市圏を形成し、首都圏全体の調和のある発展を促します。
東京湾アクアラインを利用すると、走行距離や走行時間は大幅に短縮されます。たとえば、川崎~木更津間は走行距離110kmが30kmに、所要時間も約4分の1に短縮され、また東京~木更津間も距離で45kmも短縮されます。このほか、重大災害時には、救援・復旧に役立つライフラインとしての機能が期待されます。
この道路は、調査に20年、建設に10年をかけ、総事業費に約1兆4,400億円を要した大型民活プロジェクトであることも特筆されます。




事業のしくみ

東京湾アクアラインの建設事業は、民間資金を活用し、国の負担を軽減しつつ、早期に事業着手することができる民活方式によることとされ、昭和61年4月に、「東京湾横断道路の建設に関する特別措置法(以下、「湾横特措法」)」が制定されました。
この湾横特措法に基づき、昭和61年10月に、東京湾横断道路株式会社が、日本道路公団、地方公共団体及び民間企業からの出資を受け設立され、昭和62年7月には、道路所有者となる日本道路公団と建設事業者となる東京湾横断道路株式会社との間で、「東京湾横断道路の建設に関する協定(以下、「建設協定」という。)」が締結され、この建設協定に基づき、日本道路公団と東京湾横断道路株式会社が分担して事業を行いました。
東京湾アクアラインの建設によって完成した資産は、平成9年12月に東京湾横断道路株式会社から日本道路公団に引渡されました。
その後、日本道路公団の分割民営化に伴い、日本道路公団が保有していた東京湾横断道路株式会社の株式及び同社との管理協定は東日本高速道路株式会社が承継し、東京湾アクアラインの資産及び東京湾横断道路株式会社への建設費の支払いは日本高速道路保有・債務返済機構に承継されています。

調査・設計、建設段階


建設後

民営化後

施設名称について

東京湾横断道路の名称は、一般公募の中から、水と一直線に伸びるイメージで表現した響きの良い「東京湾アクアライン」に選定しました。木更津人工島も一般公募し、夜の海で青く神秘的に光るプランクトン「ウミホタル」及び東京湾に浮かび上がる海上施設の美しさと、語感の優しさから「海ほたる」を選定しました。また、川崎人工島は換気効率を高める風の力を応用していることから、「風の塔」と名付けました。

環境保全

東京湾アクアラインの建設にあたっては、自然環境および社会環境との調和を図り、環境に与える影響を極力小さくする数々の環境保全対策を行うとともに、環境調査を実施しました。

1)工事中の環境保全対策
所要の護岸構築後の埋立土砂投入、浚渫工事箇所への汚濁防止膜の設置など、環境への影響を最小限にとどめるために効果的工法等を導入しました。

2)工事中の環境追跡調査
工事が周辺環境に及ぼす影響をすばやく察知し、必要に応じて施行に反映することにより、環境の悪化を未然に防止するために環境追跡調査を行いました。
◎水質・流況調査
◎底質調査
◎大気質・騒音・振動調査
◎自然環境調査

景観設計

東京湾アクアラインは、日本の首都東京の玄関口に位置することから、各構造物の設計に当たっては、十分な景観的配慮が加えられています。景観設計にあたっての基本コンセプトは次のとおりです。

1)Symbol  首都圏のシンボルとなる景観
2)Quality  貴重な資産としての質の高い景観
3)Harmony 首都圏の自然との調和を図る景観

具体的には、「橋梁」は、海とのハーモニーを重視することとし、滑らかな連続性のあるバランスのとれた景観を目指して、橋脚はY型に、橋桁は桁高が変化する変断面箱桁とし、色彩は、橋脚は明るい灰色(オイスターグレー)、橋桁は象牙色(アイボリーホワイト)としました。
換気塔である「風の塔」は、量感ある視認性に優れた構造とし、色彩はさわやかなマリンストライプとしています。また、休憩施設である「海ほたる」は、東京湾に浮かぶ豪華客船をイメージしています。