未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
109

茨城県水戸市

茨城県水戸市の繁華街、その片隅にある映画館。映画が上映されるのは主に夜の1回だけだが、マイナーで良質な作品をかけることから、映画好きたちから一目置かれている映画館だ。そしてここのプログラム・ディレクターは、新進気鋭の映画監督でもある。映画監督の企画による映画館「CINEMA VOICE(シネマボイス)」と映画監督・鈴木洋平の魅力とは——。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.109 |10 March 2018
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
茨城県水戸市

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#1繁華街の片隅で映画館を探す

日曜日の夜の大工町は、ひっそりとしていた。

 水戸の街なかをまっすぐ通る国道50号。水戸の最大にして唯一の目抜き通りだ。水戸駅から歩くこと30分ほど、水戸の中心地の端っこに大工町という昔からの繁華街がある。バブルの頃は今よりもっとギラギラした町で、「女の子がひとりで行っちゃいけません」とか「水戸の歌舞伎町」なんて巷では言われたりもしていたけれど、今ではその頃よりだいぶ落ち着いた。飲み屋街の入り口、大工町の交番の前に毎晩いる客引きのお兄さんたちも、一昔前よりはずっとのんびりしているように見える。

 その交番の前にある雑居ビルの4階に、一風変わった映画館がある。と言ってもそこに映画館があるかどうかは、一見しただけでは、まずわからない。
 20年近く前、そこは確かに「パンテオン」という名の映画館だった。水戸育ちの私も、高校生の頃、たまに行っていたから間違いない。でも現在のこの雑居ビルは見たところ、映画館の看板らしきものは掲げていない。飲み屋やクラブが入っているだけだ。件の4階も、ワンフロアを占めている店は「VOICE(ボイス)」という水戸の若者が集まるクラブなのだ。

映画館らしき看板は見当たらない……。
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未知の細道 No.109

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。