未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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世界最小の鹿を“のぞき”に行きませんか?

埼玉にプーズーがやってきた!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.90 |10 May 2017
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#2優雅なヒルズ族?

 総敷地面積46ヘクタール(東京ドーム約10個分!)もある広大な同園には、約200種類の動物が展示されている。そのなかでも屈指の人気を誇るのが、33羽のフンボルトペンギンがいる「ペンギンヒルズ」だ。

 え? ペンギン? と侮ってはいけない。初めてペンギンヒルズを目にした人は、目を疑うこと請け合いだ。ペンギンは氷の世界に棲んでいる。それが僕を含めてほとんどの日本人に植え付けられたイメージだろう。

 でも、ヒルズ族のペンギンたちは違う。緑豊かな小高い丘の上に巣を構えていて、毎日、波の出るガラス張りのプールに通ってエサを食べたり、プカプカくつろいだり、泳いだりした後、丘の上の自宅に帰るという生活を送っている。

 まるで六本木ヒルズに住んで、毎日ジムのプールに通っている意識の高い有閑マダムのような生活だけど、それは埼玉のヒルズ族が特別な存在だからというわけではない。これが、彼らの本来の姿なのだ。

ペンギンヒルズを訪問したときはちょうどエサの時間だった。

「氷の世界に棲んでいるペンギンもいますが、それ以外のペンギンもたくさんいます。世界には森の中に住んでいるペンギンもいますからね。フンボルトペンギンも、彼らの実際の生息地を再現して作ったんですよ」

 そう説明してくれたのは、ペンギンヒルズの飼育係長、小山良雄さん。小山さんは、ペンギンヒルズの計画ができた時に、実際に南米チリのチロエ島にあるフンボルトペンギンの保護区にまで足を運んだ経験を持つ。

 現地でペンギンたちが器用に急な坂を上り、緑豊かな丘陵にある営巣地で暮らす姿を見た小山さんは驚嘆したそうだ。

「知識では知っていたけど、本当にこんなところに棲んでるんだ! と思いました」

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未知の細道 No.90

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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