未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
99

最高級の糖度の秘密

花き栽培の技術が実を結んだ、マンゴー栽培

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.99 |25 September 2017
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#2本業は花き栽培

茨城県の花き栽培の第一人者である「やすだ花香園」の鉢物。

 さて数日後。私は小美玉市に車を走らせていた。自然が豊かで静かな地域を進んでいくと、不意に緑の中に大掛かりで立派なハウスが何棟もある場所が見えてきた。そこがやすだ園の主、保田幸雄さんの農園だった。ハウスを覗いてみると、そこにはきれいな緑色の植物が植えられた鉢が、びっしりと並んでいる。

いつも一緒に働いている保田幸雄さんとしつ子さん夫妻。

 そう、ここ「やすだ花香園」は、花き栽培(観賞用の鉢花の栽培)の園芸農家なのである。ガラス温室4,620㎡とパイプハウス2,310㎡という広大な敷地で、プール潅水と呼ばれる底面給水施設を完備し、近代的な農法でカーネーションやプリンセチア、ローズリーフといった花を、周年で約13万鉢も全国に出荷しているのだ。しかし今年から、保田さんは花の栽培の全てを息子さん夫婦に譲り、自身は7年前から取り組んでいるマンゴーの生産一本に力を注いでいるのだという。

 ハウスの中で植木鉢に水をかけている、女性に声をかけてみた。保田さんの奥さん、しつ子さんだった。笑顔で出迎えてくれた保田さんとしつ子さんの、花の栽培から始まり、マンゴーの生産に至るまでの、長くて楽しいお話が始まった。

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未知の細道 No.99

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。