未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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静岡県下田市

お遍路といえば、四国というイメージがある。でも実は、ほかの地域にもお遍路があるんです!歴史に埋もれていた伊豆のお遍路を訪ね、札所を巡る。そのショートトリップは、思いのほか快適でした。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.114 |25 May 2018
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静岡県下田市

最寄りのICから箱根新道「箱根峠」を下車

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#1年間15万人、経済効果1650億円

伊豆の88カ所お遍路のひとつ、広台寺の境内。

 「お遍路」という言葉を聞くと、四国を思い浮かべる人も多いと思う。僕はお遍路にぜんぜん詳しくないけど、高知や香川を旅行した時に、白装束で、笠をかぶり、杖をつきながら歩く人たちの姿を何度も見て、「あ、お遍路さんだ」と思ったことを憶えている。

 ところで、お遍路ってなんだっけ? 調べてみると、こう書かれていた。「弘法大師(空海)の 足跡をたどり、八十八ヶ所の霊場を巡拝すること」(四国地区観光公式サイト)。目的は縁結びから健康祈願、自分探しまでなんでもありで、何カ月もかけて約1300キロの道のりを歩いて踏破する人もいれば、何度も通って少しずつ巡る人もいるそうだ。

 その歴史をたどると、もともと88カ所の「札所」と呼ばれる寺院を巡るお遍路は僧侶たちの修行の一環で、四国でも庶民が現在に受け継がれるようなスタイルでお遍路に出るようになったのは、江戸時代から。

 一度、戦後の混乱期に庶民の足が遠のき、その歴史が途絶えかけたものの、1953年、愛媛の松山市に拠点を置く伊予鉄道が企画したバスツアーで観光としてのお遍路が脚光を浴びるようになり、息を吹き返した。それから65年、現在お遍路目的で四国を訪れる人は年間15万人にのぼり、その経済効果は、年間1650億円と試算されている。すごい!

 ちなみに、15万人のうちの大半は車やバスを使う観光客。徒歩の巡礼者のイメージが強いけど、寺院を巡るのはバスでも、車でも、自転車でもいいし、服装も自由。巡礼がここまでフリースタイルとは知らなかった!

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未知の細道 No.114

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。