未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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子どもの楽園!清流のオアシス!

夏がきた!うしづま水辺の楽校

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.118 |25 JULY 2018
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#07ボランティアを続ける理由

世話人会に参加してくれる若手を募集していると語る荻野さん。

 それにしても、である。「うしづま水辺の楽校」は子どもたちにとっては最高の遊び場だけど、期間中、週休1日で通い、子どもたちを見守る世話人の気苦労は想像もつかない。「めちゃくちゃ大変ですね……」と呟いた僕の言葉に苦笑しながら「そうだね」と頷く荻野さん。それでも続けられるモチベーションは何でしょう? と聞いたら、荻野さんは即答した。

「楽しいからだよね。やっぱり、子どもたちが喜ぶ笑顔を見ると嬉しいよ」

 子どもにとって、夏休みの思い出は特別だ。まして、川で思う存分に泳ぎ、全力で魚を採り、友だちと腹の底から笑う体験は忘れられない記憶になるだろう。前身の安部川フォーラム時代、安部川で遊んだ子たちはすでに成人している。もし地元に住んでいれば、あるいは、夏に里帰りをしていたら、自分の子どもを安部川に連れて行こうと思うはずだ。

安部川フォーラム、そして「うしづま水辺の楽校」の存在によって、安部川の記憶は世代を超えて引き継がれてゆく。その水辺で、世話人たちは今日も汗を拭きつつ微笑んでいる。

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未知の細道 No.118

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。