
日本在住歴43年、在日本ラオス協会のビルン会長に当時のことを伺った。
「日本へ来て右も左もわからない。もちろん言葉も。タイ国境の町ノーンカイの難民キャンプで3カ月間日本語を勉強してきましたが、すべての生活がゼロからのスタートでした」
「日本にはラオスらしいお寺がなかったんです……」と当時を振り返る。
ラオス人の生活は一般的に仏教と深い繋がりがあるため、お寺の存在はなくてはならないものだった。ラオス人難民の初期メンバー30人ほどで協力し、一家族20万円から100万を出し合い、約1000万円を集めた。そのお金で建物と土地を購入した。


2003年、「ラオス文化センター」を設立。ラオス人の心の拠り所になる場所ができた。
ラオスでは、ほぼ毎月仏教にまつわる行事が催される。そのタイミングに合わせ、ラオス文化センターでもイベントを開催しており、たくさんのラオス人が集まるという。基本的には自由参加だが、若者も積極的に参加している。
「奉仕をすることで徳を積んでいるんだよ」とサーンさんは教えてくれた。