未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
78

茨城県常陸太田市

現在開催中の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」は、茨城県北地域の6市町を舞台に、アートと科学・技術の実験を通して、新たな創造の息吹を吹き込む国際芸術祭だ。今回は開催エリアの一つ、常陸太田市・鯨ヶ丘商店街エリアに注目。戦国時代に活躍した佐竹氏ゆかりの町が、現代アート一色に染まっていく様子をレポートする。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.78 |10 Ncvember 2016
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
茨城県

最寄りのICから常磐自動車道「日立南太田IC」を下車

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#1海に浮かぶ鯨のように

古い建物が続く鯨ヶ丘商店街

 常磐自動車道を下りて、茨城県は常陸太田市に向かう道に車を走らせる。すると旧市街地に入るとすぐに、大きく右手に曲がる坂道がある。その坂を登ると丘の上に、古い家並みが続く小さな町がある。台地にあるその町は、遠くから見るとまるで海に浮かぶ鯨のように見えることから、いつの頃からか「鯨ヶ丘」と呼ばれるようになったのだという。
 「鯨」と名前がついているけれど、丘の上の町は歩いてみると、存外に小さい。大きな鯨どころか、かわいらしい、と言ってもいいくらいのサイズの町である。ここが今回のお話の舞台、鯨ヶ丘商店街だ。
 そしてこの町は、現在開催中の国際芸術祭「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」の開催エリアの一つでもあるのだ。県下初の大規模な国際芸術祭の開催に、この秋、茨城県は大いに盛り上がっているが、このエリアも例外ではない。5組のアーティストによるプロジェクトが展開され、連日多くの来場者が訪れて大変に賑わっているという。私もさっそく鯨ヶ丘商店街エリアを訪れることにした。

丘の上の町までの坂道も美しい
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未知の細道 No.78

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。