茨城県常陸太田市
現在開催中の「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」は、茨城県北地域の6市町を舞台に、アートと科学・技術の実験を通して、新たな創造の息吹を吹き込む国際芸術祭だ。今回は開催エリアの一つ、常陸太田市・鯨ヶ丘商店街エリアに注目。戦国時代に活躍した佐竹氏ゆかりの町が、現代アート一色に染まっていく様子をレポートする。
最寄りのICから常磐自動車道「日立南太田IC」を下車
最寄りのICから常磐自動車道「日立南太田IC」を下車
常磐自動車道を下りて、茨城県は常陸太田市に向かう道に車を走らせる。すると旧市街地に入るとすぐに、大きく右手に曲がる坂道がある。その坂を登ると丘の上に、古い家並みが続く小さな町がある。台地にあるその町は、遠くから見るとまるで海に浮かぶ鯨のように見えることから、いつの頃からか「鯨ヶ丘」と呼ばれるようになったのだという。
「鯨」と名前がついているけれど、丘の上の町は歩いてみると、存外に小さい。大きな鯨どころか、かわいらしい、と言ってもいいくらいのサイズの町である。ここが今回のお話の舞台、鯨ヶ丘商店街だ。
そしてこの町は、現在開催中の国際芸術祭「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」の開催エリアの一つでもあるのだ。県下初の大規模な国際芸術祭の開催に、この秋、茨城県は大いに盛り上がっているが、このエリアも例外ではない。5組のアーティストによるプロジェクトが展開され、連日多くの来場者が訪れて大変に賑わっているという。私もさっそく鯨ヶ丘商店街エリアを訪れることにした。
松本美枝子