未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
99

茨城県小美玉市

マンゴー、それは甘くて美しい、南国の果物。日本では、沖縄や宮崎などの南の産地を思い浮かべる人も多いだろう。フルーツの女王とも言われる熱帯果樹のマンゴーを、なんと北関東の茨城で栽培している園芸農家があるという。しかも糖度は平均18度と日本でもトップクラスを誇る品質なのだ。茨城で採れる、園芸農家の手によるマンゴー、その美味しさの秘密を確かめに小美玉市へと向かった。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.99 |25 September 2017
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茨城県小美玉市

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#1茨城県産の美味しすぎるマンゴー!?

フレッシュなマンゴーがたっぷりの「ル・ポワロン」のデザート

 何気なくフェイスブックを眺めていたある夏の日の午後。一つの投稿が目に留まった。それはウチの近所のとてもおいしいフランス料理店「レストラン ル・ポワロン」のマダム、弘江さんが書いたものだった。
 旦那さんでシェフの野澤さんが作るデザートのマンゴーを買い付けに、茨城県小美玉市にある農園に行った、という内容だった。そしてここのマンゴーは、とびきり甘くて上等で美味しいのだ、と。そんなことが、マンゴーがハウス栽培されているらしき写真とともに書いてあった。

 はて、小美玉市? 茨城県? 沖縄や九州ならともかくも、北関東で熱帯果樹のマンゴーを生産できるの? まず、そんなハテナマークが頭の中を飛び交う。
 それに実は私は、マンゴーには目がないのだ。美味しいマンゴーなら、南でも北でも茨城でも、とにかく食べてみたいじゃないか!

美味しいマンゴーの存在を教えてくれた、フレンチ・レストラン「ル・ポワロン」の野澤シェフと弘江マダム

 早速「ル・ポワロン」にマンゴーのデザートを食べに行ってみることにした。マダムがサーブしてくれた一皿には、美しくカットされた、生のマンゴーがたっぷりと盛られている。このマンゴーは特有のクセがなく爽やかで、それでいてとても甘い。これは美味しい!

 スプーンを進めると、マンゴーの下の甘いココナッツのブランマンジェ、そして周りにあるパッションフルーツの酸味がアクセントとなって、マンゴーの美味しさをより引き立てている。オレンジと白の色の対比も美しく、そして何より美味しいデザートだった。

 シェフは「ここのマンゴーは甘さと香りが強くて、美味しさが凝縮されているというか、なんといったらいいのかなぁ……、そう、食感に密度があるんです。宮崎や外国などいろんな産地のマンゴーを取り寄せてきましたが、本場の産地と比べても引けを取りません」と教えてくれた。

 この農園に行ってみたいなあ……と思っている私を察して、マダムが笑顔でこう後押ししてくれた。「美枝子さん、マンゴーを作っている保田さんの農園、見学できますよ。マンゴーのハウス栽培の様子をぜひ行って見てきたら!?」と。

 こうして私は、このマンゴーを栽培しているという「やすだ園」に行くことになったのである。

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未知の細道 No.99

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。