今回、大館を訪れて感じたのは、江戸時代より以前からこの土地でともに暮らしてきたという秋田犬への愛とリスペクトだった。闘犬の流行や戦争など歴史の荒波を乗り越えて、秋田犬の今がある。そこには、市民と秋田犬が一緒に危機を乗り越えてきたパートナーとしての絆を感じた。
だからかもしれない。取材させてもらった方々の「一緒に暮らせて毎日幸せ」「秋田犬は犬の王様」「秋田犬は私の電池」という言葉からは、ペットとしてかわいいという次元をはるかに超えた熱い想いが溢れていた。
秋田犬はなぜそんなに愛されるのか?
その答えのヒントは、大館にある。
なんだか無性に秋田犬を飼いたくなった。

川内イオ