
静岡県下田市
お遍路といえば、四国というイメージがある。でも実は、ほかの地域にもお遍路があるんです!歴史に埋もれていた伊豆のお遍路を訪ね、札所を巡る。そのショートトリップは、思いのほか快適でした。
最寄りのICから箱根新道「箱根峠」を下車
最寄りのICから箱根新道「箱根峠」を下車
「お遍路」という言葉を聞くと、四国を思い浮かべる人も多いと思う。僕はお遍路にぜんぜん詳しくないけど、高知や香川を旅行した時に、白装束で、笠をかぶり、杖をつきながら歩く人たちの姿を何度も見て、「あ、お遍路さんだ」と思ったことを憶えている。
ところで、お遍路ってなんだっけ? 調べてみると、こう書かれていた。「弘法大師(空海)の 足跡をたどり、八十八ヶ所の霊場を巡拝すること」(四国地区観光公式サイト)。目的は縁結びから健康祈願、自分探しまでなんでもありで、何カ月もかけて約1300キロの道のりを歩いて踏破する人もいれば、何度も通って少しずつ巡る人もいるそうだ。
その歴史をたどると、もともと88カ所の「札所」と呼ばれる寺院を巡るお遍路は僧侶たちの修行の一環で、四国でも庶民が現在に受け継がれるようなスタイルでお遍路に出るようになったのは、江戸時代から。
一度、戦後の混乱期に庶民の足が遠のき、その歴史が途絶えかけたものの、1953年、愛媛の松山市に拠点を置く伊予鉄道が企画したバスツアーで観光としてのお遍路が脚光を浴びるようになり、息を吹き返した。それから65年、現在お遍路目的で四国を訪れる人は年間15万人にのぼり、その経済効果は、年間1650億円と試算されている。すごい!
ちなみに、15万人のうちの大半は車やバスを使う観光客。徒歩の巡礼者のイメージが強いけど、寺院を巡るのはバスでも、車でも、自転車でもいいし、服装も自由。巡礼がここまでフリースタイルとは知らなかった!

川内イオ