ところで。伊豆にも江戸時代から歴史を持つお遍路があると知っていましたか? 僕は報道でその事実を知り、え、なんで伊豆に!? と思ったけれど、よくよく考えてみたら江戸時代、関東近郊の庶民が四国に巡礼に行くなんてとんでもなく大変なことだ。
そうそう、愛知県の知多半島にも弘法大師にゆかりのある「知多四国八十八ヶ所霊場」があり、やはり江戸時代にお遍路として賑わっていたそう。きっと今ほど交通手段が発達していなかった時代、関東の人は伊豆、中部地域の人は知多半島、関西の人は四国でお遍路を巡ったのだ。
それにしても、お遍路は四国、という固定概念があったから、伊豆にお遍路があるなんて目から鱗! 四国は遠いけど、伊豆なら東京から1、2時間でいけるじゃないか! 総距離400キロと、四国の3分の1程度なのも気軽でいい。伊豆のお遍路がどんなものなのか気になった僕は、一路、下田に向かった。

川内イオ