未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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知られざる「伊豆のお遍路」を訪ねて

快適爽快スイスイ巡礼

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.114 |25 May 2018
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#2関東は伊豆、中部は知多半島

伊豆のお遍路で第43札番の大安寺。江戸時代の人もこの参道を歩いていたのかも。

 ところで。伊豆にも江戸時代から歴史を持つお遍路があると知っていましたか? 僕は報道でその事実を知り、え、なんで伊豆に!? と思ったけれど、よくよく考えてみたら江戸時代、関東近郊の庶民が四国に巡礼に行くなんてとんでもなく大変なことだ。

 そうそう、愛知県の知多半島にも弘法大師にゆかりのある「知多四国八十八ヶ所霊場」があり、やはり江戸時代にお遍路として賑わっていたそう。きっと今ほど交通手段が発達していなかった時代、関東の人は伊豆、中部地域の人は知多半島、関西の人は四国でお遍路を巡ったのだ。

 それにしても、お遍路は四国、という固定概念があったから、伊豆にお遍路があるなんて目から鱗! 四国は遠いけど、伊豆なら東京から1、2時間でいけるじゃないか! 総距離400キロと、四国の3分の1程度なのも気軽でいい。伊豆のお遍路がどんなものなのか気になった僕は、一路、下田に向かった。

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未知の細道 No.114

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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