未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
127

茨城県守谷市

世界中から若手アーティストを招聘し、制作環境の支援と育成を図ってきた「アーカスプロジェクト」。今では国際的な舞台へアーティストを輩出する登竜門として世界の美術関係者に知られている。「もりや学びの里」にあるアーカススタジオでの、アーティストと地域の人々たちの出会いの場を取材した。

文= 松本美枝子
写真= 松本美枝子
未知の細道 No.127 |10 December 2018
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
茨城県守谷市

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#1「オープンスタジオ2018」へ

エリカ・セルジのスタジオ

 「アーカスプロジェクト(以下アーカス)」をご存知だろうか? 茨城県と守谷市が中心となって開催している現代美術に特化したアーティスト・イン・レジデンスプログラムだ。これまで33カ国の国と地域から103名ものアーティストを招聘し、制作に専念する時間と環境を提供してきた。活動拠点は守谷市にある「もりや学びの里」内のアーカススタジオ。ここで24年もの間、アーティストの支援と育成を続けてきたこのプロジェクトは、いわば日本のアーティスト・イン・レジデンスプログラムの草分け的存在である。そして今では、アーティストの登竜門として世界の美術関係者に知られている。

 アーカスプロジェクトでは、毎年3名のアーティストが110日間ほどの滞在制作を行う。このプロジェクトの面白さはなんといっても、滞在制作の総括として展覧会を行うのではなく、アーティスト・イン・レジデンスの活動の経過や成果を「オープンスタジオ」として一般に公開することにある。さらに彼らを専門的な観点から支援するため、外部のキュレーターをゲストとして招いている。2018年度はジハド・ジャネル(トルコ)、エリカ・セルジ(アメリカ)、イリカ・ファン・ローン(オランダ)の3人のアーティストが招聘され、そしてゲストキュレーターには金澤韻さん(十和田市現代美術館学芸統括)が携わった。

 5日間のオープンスタジオ期間中は、アーティストやゲストキュレーターによる解説付きのスタジオ見学ツアーや講演、パフォーマンスなどが行われるのだが、そのなかでも土曜日にはアーティストたちによる「キッズツアー」が行われるという。近隣の小学生や中学生が多く見学に来るらしい。地域の人たちにとってどんなふうにアーカスが開かれているのか、見られるチャンスでもある。せっかくなので私もこのキッズツアーに同行させてもらうことにした。
 私がアーカススタジオに着いた時には、受付にはお父さんお母さんに連れられた、小学生たちが少しずつ集まり始めていた。

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未知の細道 No.127

松本美枝子

1974年茨城県生まれ。生と死、日常をテーマに写真と文章による作品を発表。
主な受賞に第15回「写真ひとつぼ展」入選、第6回「新風舎・平間至写真賞大賞」受賞。
主な展覧会に、2006年「クリテリオム68 松本美枝子」(水戸芸術館)、2009年「手で創る 森英恵と若いアーティストたち」(表参道ハナヱ・モリビル)、2010年「ヨコハマフォトフェスティバル」(横浜赤レンガ倉庫)、2013年「影像2013」(世田谷美術館市民ギャラリー)、2014年中房総国際芸術祭「いちはら×アートミックス」(千葉県)、「原点を、永遠に。」(東京都写真美術館)など。
最新刊に鳥取藝住祭2014公式写真集『船と船の間を歩く』(鳥取県)、その他主な書籍に写真詩集『生きる』(共著・谷川俊太郎、ナナロク社)、写真集『生あたたかい言葉で』(新風舎)がある。
パブリックコレクション:清里フォトアートミュージアム
作家ウェブサイト:www.miekomatsumoto.com

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。