未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
142

「吉田のうどん」の未来は任せろ!

世界にひとつだけの「うどん部」の挑戦!

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.142 |25 July 2019
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#6子ども店長の高校生店員のうどん屋

この日の子ども店長のひとり。伸ばして切ったうどんは家へのお土産に。

日曜日にセルバへ。11時〜14時の営業時間だが、高校生たちは朝7時半から厨房で準備をしているそうだ。私が10時に到着すると、ちょうどこの日の子ども店長たちがやってきてきた。子ども店長は、今年度から開始された制度で、富士吉田市内の主に小・中学生がうどん作りや接客を体験する。参加費500円で1日最大5名を募集しているが、いつもだいたい募集はいっぱい。人気の職業体験になっている。うどんを切ってお土産にし、実際にうどんを食べた後には、注文をとったりうどんを運んだり、高校生のサポートを得て店長が奮闘していた。

  • 吉田のうどんの要のすりだねは通常は1種類だが、高校生らしくバリエーション豊か。辛いけれど、ごまが香って美味。
  • 温かいうどんの容器は、うどんを茹でる横で温める。これも部活動で経験を積みながら体得したこと。

私も、一番オーソドックスな吉田のうどんを注文。太くて硬い麺は、噛みしめると小麦の風味が口の中に広がる。そのシンプルな味とうまみたっぷりの汁、馬肉やキャベツが合わさると、甘辛い味付けとキャベツの甘さも加わって、どんどん箸が進む。こんなに食べられる?と不安にさえなったボリュームも、気持ちよく平らげてしまった。

臭みが出ないように何度も湯通しした馬肉を使った肉うどん(432円)にちく天(108円)をトッピング。

周りを見回すと、常連らしきおじいさんや家族連れ、子ども店長の活躍を見守る両親、買い物帰りに寄ってみたという様子の主婦……いつのまにか老若男女のお客がうどんを頬張っていた。現在、1日で平均80食を売り切る。目標には1日100食を掲げる。

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「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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