未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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脱サラしてヤギを飼い、チーズを作る。 東京生まれのシェーブルチーズはいかが?

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.210|25 May 2022
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#62年目に約2000個のチーズが完売

迎えた2020年1月、研修期間中に妻と3人の子どもを連れて引っ越し。自力で山の樹を切り倒し、ヤギの小屋と放牧場の柵を建て、小屋をチーズ工房にリノベーションした。木工作家の父親が手伝ってくれたそうで、DIYながらデザインも強度もしっかりしたものができたという。

木工作家の父親のサポートを得てDIYした放牧場。さらに拡大する予定。

丸2年の研修を無事に終え、2020年8月にチーズ工房の許可を取得。群馬の牧場から借りた雄ヤギがミーちゃん、イソちゃん、ヌマちゃんと自然交配し、それぞれ子どもを生んだので、その頃には3頭とも乳を出すようになっていた。

  • 堀さんが自作した乳搾り台。
  • フレッシュなヤギのミルク。

しかし、ヤギの乳量は出産シーズンの春が一番多く、夏になると減っていき、秋には次の出産に備えて乳しぼりを控えるため、初年度は少量のチーズを作り、近隣の温泉や農協、ショップなどにあいさつ代わりに届けたほか、武蔵五日市駅前で開催される「五市マルシェ」などで販売した。

本格的にチーズ作りが始まったのは、2021年の春。ミーちゃん、イソちゃん、ヌマちゃんに加えて、その子どもの雌ヤギ3頭も出産して「6頭搾り」になり、最盛期には1日およそ20リットルの乳が取れるようになった。その乳で作ったひとつ1000円、約2000個のシェーブルチーズは、見事に売り切れた。

「月に1、2回イベントに出たり、近くの温泉に並べてもらったり、農協に置いてもらったのがほどほどに売れて。あとは個別にチーズショップに卸したりして、なんとか捌けました」

かわいらしいデザインの養沢ヤギ牧場のチーズ。
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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