未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
66

山田町で受け継がれる相撲の絆

兄弟弟子で目指す横綱の道!

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.66 |10 May 2016
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#9力士会が繋ぎ止めた二人の夢

 筋トレの後、力士会から寄贈された土俵に移動した。冬の間はシートをかけて大切に管理されているが、暖かい季節になると、山田町唯一のこの土俵が二人の練習場所になる。もし力士会が土俵を再建しなければ、練習場所を失った二人は相撲を続けられなかっただろう。言い換えれば、力士会が途絶えかけた山田町の相撲の絆を守ったのだ。
 土俵の上で撮影をしていると、二人は自然と組み合い始めた。見た目は全く似ていないが、いかにも楽しそうに押し合う姿は、優しい兄と無邪気な弟の兄弟そのものだ。
白鵬との対戦、そして横綱を目指して、二人三脚で「はっきよい、残った!」。

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未知の細道 No.66

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。