
それにしても、これだけのものを作るのは、相当におカネもかかるだろうな……と思っていたところ、このプロジェクトでは、総予算の三分の一となる300万円をクラウドファンディングにて支援を募ったそうだ。
その支援を募集するサイトには、こんな言葉が書かれていた。
世の中に見捨てられてしまったものに、もう一度価値を見出し世の中に出していく。ゴミだと思っていたけど、磨いたりちょっと違う使い方をしたりしてみたら、すごく素敵になるんだ”そんな体験をひとつ積める場所に、リビセンがなれればいいなと思っています。そういう文化をつくりたい
しかし、クラウド・ファンディングを立ち上げたのは、着工した後だったと聞いて、「十分な資金が集まるかどうか緊張しませんでしたか?」と尋ねた。するとアズノさんは、「いやあ、社会性があるプロジェクトだし、たぶん大丈夫だと思ってました!」と清々しく答えた。
その予想通りに、日本全国から続々と支援が集まり、蓋をあけてみると447人から500万円以上もの資金が集まった。
同時にリノベーション工事の方も、大勢の助っ人を借りて進められていた。アズノさんたちが「お助け隊」を募ったところ、のべ460人もの応募があり、中には本物の大工さんもいたそうだ。お助け隊は2ヶ月にわたって大活躍し、木工や左官、ペイントを行った。
その製作の過程は、今リビセンにある三冊のアルバムにしっかりとドキュメントされている。私は、話を聞きながらアルバムをパラパラと眺めた。そこには、大勢の人が楽しそうな笑顔で壁を塗ったり、掃除をしたり、車座になってご飯を食べたりする写真が収められている。中には、建物の二階の窓から、みんなで何かを眺めている写真も。その時は、巨大な虹が窓から見えたのだそうだ。
ああ、こうやって一緒に手や頭を動かし、同じ釜のメシを食い、語り、笑い、同じ風景を見ることがRebuild New Culture、つまりは「文化」を作ることにつながるんだなあと感じていた。
こうして、構想からたったの十ヶ月で、リビルディング・センター・ジャパンはオープン!

川内 有緒