次の行き先は、このあと出会ったインド人に聞いてみよう! そう決めてすぐに、駅前で親子とすれ違った。
なんとも険しい顔で歩いている。ちょっとこわそうだ! しかし先ほど「次に出会った人に聞く!」と決めてしまったしなぁ。恐る恐る声をかける。一瞬怪訝な顔だったので日本語が伝わらないかと思ったら、かなり流暢な日本語と、すてきな笑顔が返ってきた。
スーリャ・ゴーラさんと、その息子サーティヴィックくんとチャイタンヤくん。22年も日本に住むスーリャさんは、東京の他の地域や横浜などにも住んでみたが、子どものことを考えて西葛西に引っ越してきたそうだ。
「やっぱり教育のこともあるし、インド人のコミュニティを子どもたちに知ってほしかった」
サーティヴィックくんは中学2年生、チャイタンヤくんは小学3年生。今後のことを考えると、日本から海外へ行くことも考えているそうだ。
「自分のことより、まずは子どもたちが一番優先ですね」
最後に夢を聞いたら、優しい笑顔でこう答えてくれた。険しい顔は歩いているときだけみたいだ。
スーリャさんに教えてもらったおすすめの場所は、葛西臨海公園。スーリャさん一家が住んでいる清新町という町には、インド人が多く暮らす団地がある。その清新町から葛西臨海公園までは、自転車で15分くらいの距離だ。
「葛西臨海公園は、本当にすばらしい。自然がたくさんで、家族ですぐに行かれるのがいいですね。今日も夕食のあとに、子どもたちと散歩に行くつもりです」
実は、最初にお話を伺ったプラヴィーンさん、インド食材店のアロックさん共に、葛西臨海公園を推していた。そんなに葛西臨海公園はいいのか! その実態を探るべく、駅前からバスに乗り込んだ。

ウィルソン麻菜