未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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荒川とガンジス川は繋がっている!

インドの人々と巡る、東京インド旅。

文= ウィルソン麻菜
写真= ウィルソン麻菜
未知の細道 No.97 |25 August 2017
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葛西臨海公園を突き抜けると、目の前に東京湾が広がる。

 たどり着いた葛西臨海公園は、想像していたよりもずっと大きかった。噴水と観覧車が人々を出迎える。奥まで歩くと、東京湾を見渡す展望台、思い切り遊べる芝生、水族館やライブ会場まである。

 その日は、ライブ会場で「情熱大陸ライブ」が行われていて、大黒摩季の『あなただけ見つめてる』が大盛り上がりで聞こえてくる中、レジャーシートを片付け始めているインド人の家族に出会った。

マドゥさん一家。インドの子たちはみんな可愛いドレスを着ている。

 丸の内に勤めるエンジニアだというマドゥ・ボーヤーさん、奥さんのシュウェタルさんと娘のソミちゃんだ。マドゥさん一家は2年ほど前に西葛西にやってきた。インドにいるときから友人に、日本に住むなら西葛西がいいと言われていたという。

「休みの日はこうやって家族で公園に来たり、ショッピングモールで買い物をしたり。とても住みやすいです。ずっとここで暮らしたい」

 マドゥさんも、駅で出会ったスーリャさんと同じく清新町に暮らしている。近い距離に家族で過ごすことができる場所があるのも、彼らにとって西葛西が暮らしやすい理由のひとつだ。来年の春から幼稚園に通うという4歳のソミちゃんにとっても、この芝生が美しい広々とした公園は素敵な遊び場に違いない。

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未知の細道 No.97

ウィルソン麻菜

1990年東京都生まれ。学生時代に国際協力を専攻し、児童労働撤廃を掲げるNPO法人での啓発担当インターンとしてワークショップなどを担当。アメリカ留学、インド一人旅などを経験したのち就職。製造業の会社で、日本のものづくりにこだわりを持つ職人の姿勢に感動する。「買う人が、もっと作る人に思いを寄せる世の中にしたい」と考え、現在は野菜販売の仕事をしながら作り手にインタビューをして発信している。刺繍と着物、野菜、そしてインドが好き。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。