マンゴーの旬は7〜8月までと、とても短い。
安定して3000個ほど取れるようになったとはいえ、あまりの美味しさに口コミが広がり、旬の季節にはいつも、やすだ園のマンゴーはあっという間に売り切れてしまう。
それで保田さんとしつ子さんは、マンゴーの美味しさを一年中味わってもらえるように、加工品にも取り組むことにした。「小美玉SUN完熟マンゴー」の六次産業化だ。皮をむいた新鮮な切り実をパックにして冷凍保存し、一年を通してアイスクリームやジャム、ジュースなどの加工品を自らの手で作っているのだ。
私もマンゴーのアイスクリームを食べさせてもらった。生のマンゴーとはまた違って、甘みが凝縮されていて、とても美味しい。しかも流通している大手の市販品のように、余計な添加物がほとんど入ってないので、加工品でありながら、マンゴー本来の自然な味わいがする。
マンゴーが高級品であるがゆえに、加工品であろうともマンゴーのアイスは普通のアイスに比べると、なかなか手に入りにくいものだ。しかも自然本来の上品な甘さであれば、その満足度はひとしおである。美味しいですねえ、と言いながら、花より団子の私は勧められるままに、ペロリと二個も平らげてしまったのであった。
やすだ園では、このマンゴーの加工品が、予約制ではあるが、一年中食べることができる。しつ子さんが作った、フラワーガーデンを見学しながら、アイスクリームやソフトクリームなどのデザートを食べるプランがあるとのこと。研修会などの団体が利用することが多いのだそうだが、一般にも開放している。生のマンゴーはもちろんのことだが、六次産業のマンゴーであっても、一年中食べられるような農園は、東日本ではそうそうない。皆さんもぜひ、やすだ園に行って、味わってみてほしい。

松本美枝子