未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
87

長野県諏訪市

解体される空き家から古材や建具、古道具を“レスキュー”している人々がいる。レスキューされた思い出の品々は、新たなものに生まれ変わる日を静かに待っている。解体屋も家主も古材ファンも幸せになれる仕組み!と熱い視線が注がれる新名所を訪ねると、そこはただの古材屋ではなかった!

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
一部写真提供= ReBuilding Center JAPAN
未知の細道 No.87 |25 March 2017
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
長野県諏訪市

最寄りのICから長野自動車道「岡谷IC」を下車

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#1古いものが好きなんです

 新宿から特急あずさ松本行きに揺られること二時間半。
 上諏訪駅に着くなり、おっ! と思った。プラットフォームには、どおんと足湯エリアがあり、若い女性が気持ちよさそうに足を温めながら電車を待っていた。
 駅に足湯!? と思いながら、改札の向こうを見ると、遠くには雪を抱いた山々が見え、頬に感じる空気がキリッとして澄んでいた。
 いいねえ、なんだか、遠くまで来たぞと思った。

 駅から歩いて10分の場所に目指す「ReBuilding Center JAPAN」はあった。
 ちらっと覗くと、ある、ある、古材の数々!
 いろんな長さ、いろんな厚み、床材、ぶっとい柱、よく分からない板の切れ端も。どれもこれも時を経ていい味が出ているじゃないですか!
 ぶわっとアドレナリンが体を駆け巡った。
 そう、「リビルディング・センター」(愛称はリビセン)は、ま、簡単に言っちゃえば「古材屋さん」である。でも、ただの「古材屋さん」ともちょっと違う。
 ここは、去年の9月にオープンしたばかりだというのに、すでに一部の人間にとっては、憧れの聖地だ。そんな一部の人間とは、「古いものを愛してやまない!」、「趣味はDIY」という人種のことである。ふふ、実は私自身、大人になって自分のおカネで初めて買った家具はアンティーク(とは名ばかりの古道具)。今でも家の家具の半分はアンティーク(とは名ばかりの古道具)、またはDIYで自作したもの、というヒトなのだ。

 古い木枠の窓がコラージュされたエントランスを入ると、広いカフェがあった。
 古材がビシッと貼られたカウンターが大変に美しく、しばしうっとりと愛でる。そう、リビセンは、古材屋さんでありながら、居心地の良いカフェでもある。それはまた、完璧な組み合わせなのである。

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未知の細道 No.87

川内 有緒

日本大学芸術学部卒、ジョージタウン大学にて修士号を取得。
コンサルティング会社やシンクタンクに勤務し、中南米社会の研究にいそしむ。その合間に南米やアジアの少数民族や辺境の地への旅の記録を、雑誌や機内誌に発表。2004年からフランス・パリの国際機関に5年半勤務したあと、フリーランスに。現在は東京を拠点に、おもしろいモノや人を探して旅を続ける。書籍、コラムやルポを書くかたわら、イベントの企画やアートスペース「山小屋」も運営。著書に、パリで働く日本人の人生を追ったノンフィクション、『パリでメシを食う。』『バウルを探して〜地球の片隅に伝わる秘密の歌〜』(幻冬舎)がある。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。