高速道路は歩行者や自転車がおらず、一般道より走りやすい環境です。とはいえ、初心者ドライバーにとって高速道路デビューは緊張するものですよね。 そこで今回は、NEXCO東日本の方に、初心者が高速道路に乗る前に知っておきたい注意点や走行のコツをインタビューしてきました!
安全に走行するための基本はもちろん、サービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)の活用法など、より安心で快適に高速道路を楽しむためのヒントもご紹介します。これから高速道路デビューする方も、改めて基本を見直したい方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
インタビューにご協力いただいたのはこちらのお二人!

中田光さん(写真左)
NEXCO東日本 管理事業本部 交通部 交通管理課
<プロフィール>
入社3年目。仙台管理事務所を経て、2025年9月から本社交通管理課に勤務。主に交通安全の啓発運動を担当。
大石就さん(写真右)
NEXCO東日本 サービスエリア・新事業本部
サービスエリア事業部 サービスエリア事業課
<プロフィール>
入社7年目。東北支社、福島管理事務所、関東支社を経て、2025年7月から本社サービスエリア事業課に勤務。主にサービスエリアの管理運営を担当。
高速道路初心者は必見!乗る前に知っておきたい予習ポイント

まずは、「初めて高速道路を利用する」という初心者ドライバーが気になる、高速道路ドライブで注意すべき点やよくあるトラブルへの対処法を中田さんに教えていただきました。
お出かけ前に!高速道路ドライブに必要な準備
――(インタビュアー、以下略)さっそくですが、高速道路を使って初めてドライブする前には、どんな準備をしておくのがいいのでしょうか?
中田:初めてのドライブ、楽しみですね!まずは万が一の事故や故障に備えて、発炎筒と三角表示板がきちんと車両に装備されているかを確認しておきましょう。
発炎筒は、見たことはあっても実際に使ったことがある方は少ないものです。いざというとき慌てないために、使い方を一度確認しておくと安心です。また、発炎筒には使用期限がありますので、使用期限が切れていないかも確認してくださいね。
三角表示板は、高速道路上で故障や事故などにより緊急停止する場合、後方に設置することが義務付けられています。三角表示板もいざというとき慌てないために乗車前に使い方、組み立て方を確認してみてください。


――確かに、いざというときに使い方が分からないとあたふたしますよね。ほかに、高速道路ならではの準備はありますか?
中田:高速道路を走る前に必ず確認しておきたいのが、ガソリン(燃料)残量です。高速道路の路線によってはガスステーションのあるSA・PA間の距離が長い区間もあります。長距離を走る場合はとくに余裕をもって給油しておいた方が安心です。
また、タイヤの空気圧も重要なチェックポイントです。空気圧が不足していると走行性能の低下だけでなく、重大な事故につながる恐れもあります。ガスステーションで給油の際にあわせて確認してください。そのほかエンジンオイルや冷却水も、走行前の基本点検項目です。
料金所&合流の初心者注意ポイントは?
――事前準備が済んだら、いよいよ高速道路デビューですね!まずは料金所の通過方法を教えてください。

中田:高速道路の料金所レーンには「ETC」専用レーンと「一般」レーン、両方に対応した「ETC/一般」混在レーンの3種類があります。ETCカードを挿入した車載器がある車両なら、車線表示板に「ETC」と表示されたレーンへ進みましょう。
ETCを利用しない場合は、車線表示板に「一般」と表示されたレーンで入口通行券を受け取り、出口で通行券と現金等を料金所スタッフに渡して精算してください。 ETCを利用できない状態で、ETC専用料金所に進入してしまった場合は、「サポート」または「ETC/サポート」と表示されたレーンに進入し、料金所スタッフの指示に従ってください。
ETCレーンを利用する際によくあるトラブルが、ETC車載器にETCカードが正しくセットされていないことで、開閉バーが開かずに停止してしまうことです。ETCを利用する際は、ETCカードが正しくセットされているか、ETCカードの有効期限が切れていないかを、忘れずに確認してください。
――バーが開かないと慌ててしまいそうですが、実際に停止してしまった場合はどうすればいいですか?
中田:万が一、バーが開かずに停止してしまった場合は、ハザードランプを点灯し、備え付けのインターホンで係員に知らせてください。
このようなカード未挿入や誤進入などにより、前の車が急に停止することがあります。ETCレーンには必ず20km/h以下に減速して進入し、レーン内はすぐに停止できるよう徐行することがポイントです。

――料金所を通過したら、次はいよいよ本線への合流です!どきどきしますが、コツなどはありますか?
中田:初めて高速道路に入る場合は緊張するかもしれませんが、本線合流前には加速車線が設けられています。そこで本線を走る車のスピードに合わせて十分加速すれば合流しやすいです。その際、本線を走る車を必ず確認して、車間距離を確保しつつ、タイミングを見計らって合流しましょう。初心者も緊張せず、落ち着いて合流していただければ大丈夫です。
高速道路走行の基本的なルール&マナー
――無事に本線に合流出来たあとは、どのように走行するのがよいでしょうか。

中田:通常は左側の走行車線を車の流れに乗って、十分な車間距離を保ちながら走りましょう。右側は追い越し専用の車線です。追越車線でも制限速度内で追い越し、追い越したら前後を確認して走行車線に戻りましょう。車線を変更する場合は、前後をよく確認してから方向指示器を出して行ってください。
――最近は「煽り運転」が怖いのですが、気を付けるべきことはありますか?
中田:だれでも煽り運転はされたくないですよね。無理な追い越しや車線変更をせず、走行車線を流れに乗って走行していれば、煽り運転をされにくいのではないでしょうか。また、追越車線を走行するときは、追い越しが終わったら走行車線に戻るなど、譲り合って運転することも対策になると思います。万一煽り運転をされた場合は、同乗者がいれば110番通報してもらうのが一番だと思います。SAやPAが近くにあれば、そこでしばらく様子を見るのもいいかもしれません。
もし、高速道路で事故を起こしてしまったら?
――近年、高速道路ではどのような事故が多いのでしょうか?
中田:最近の傾向として、「人対車」の事故が多く見受けられます。事故や故障でドライバーや同乗者が車外に出た際に、後続車にはねられるというケースです。高速道路は一般道と違うので、当然のことながら車のスピードはかなり出ています。また、まさか本線上に人がいるとは運転者が思っていない可能性もあります。車から降りてむやみに路肩や本線を歩き回ることは絶対しないでください。
――いきなり降りるのは確かに危険ですね。車両が故障したら、どのように対処すればよいでしょうか?

中田:もし車両が故障してしまった場合は、ハザードランプを点けて速やかに車を路肩など安全な位置に移動させましょう。発炎筒を発火させ、三角表示板を設置して、後続車に非常事態であることを知らせてください。
そして同乗者も全員、通行車両に十分注意し、ガードレールの外側など安全な場所に退避しましょう。
決して車内にはとどまらないでください。そのうえで110番、非常電話、道路緊急ダイヤル(#9910)などで通報します。ご自身の安全を確保してから、通報する。この順番を必ず守ってください。
――道路緊急ダイヤル(#9910)があるんですね!どのような時にかけていいのでしょうか?
中田:故障や事故だけでなく、道路の異常(損傷など)、落下物の通報にも対応しています。24時間対応で通話も無料ですので、緊急の際には活用してください。
電話で場所を知らせる場合は、高速道路の路線名、上りか下りか、路肩などに設置されているキロポストの何km地点、または「○○SAを過ぎたあたり」などと伝えていただけるとスムーズです。

詳しくは、NEXCO東日本のWEBサイト「ドラぷら」のセーフティドライブもご参照ください。
ドラぷら「セーフティドライブ」はこちら降りるインター(IC)を通り過ぎてしまったら?
――事故や故障のほか、ありがちなトラブルとしては「降りるべきインターを通り過ぎてしまう」ことがありますが、どのように戻るのがいいのでしょうか?
中田:高速道路を走っていて、うっかり目的地のICを通り過ぎてしまっても、Uターンやバックは厳禁です!慌てて戻らないように気を付けてくださいね。まずは次のICで降りていただき、出口料金所では「一般レーン」または「サポートレーン」に進入してください。ETC利用の場合は、誤って通信されないよう、事前にETC車載器からETCカードを取り出しておきましょう。
レーン進入後、料金を精算する前に、料金所スタッフもしくは精算機に設置されているインターホンにて降りるICを誤った旨を申し出てください。料金所スタッフが、目的のICに戻れるよう指示・誘導してくれます。この場合、通行料金も当初の目的地のICまでの通行料金となりますので、ご安心ください。
ただし、一部の道路、料金所では対応できませんので、あらかじめご了承ください。詳細は、弊社HPに記載しておりますので、併せてご確認ください。
長期連休中の高速道路で渋滞を回避するコツは?

――もうすぐゴールデンウィークですが、長期連休で気になるのが渋滞。なにかおすすめの渋滞回避テクニックはありますか?
中田:交通情報サイト「ドライブトラフィック」では、どこが渋滞しているのかリアルタイムで確認することができます。また、日付や路線を指定して検索すれば、渋滞する時間帯や渋滞ピーク時間、最大渋滞長などの渋滞予測も確認できます。リアルタイム情報に加え、今後の渋滞予測や工事規制、通行止め情報も表示されるので、出発前にこまめにチェックするのがおすすめですね。渋滞予測はNEXCO東日本が運営するサイト「ドラぷら」からも確認できます。

ゴールデンウィークなどの長期連休には、「渋滞予報ガイド」が公開されるのでぜひ確認して計画に役立ててみてほしいです。事前にチェックしておけば、渋滞ピーク日や渋滞ピーク時間を避けるなど、ゆとりある計画が立てられます。
「ドライブトラフィック」はこちら 「ドラぷら」道路交通情報はこちら 2026年ゴールデンウィークの渋滞予測はこちら知っておくと役立つ! 楽しいSA・PA利用術

ここからは、高速道路ドライブの楽しみの一つ、サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)について、知っておきたい豆知識や活用方法を大石さんにお伺いしていきます。
サービスエリア(SA)とパーキングエリア(PA)の違いは?
――高速道路にはSA(サービスエリア)とPA(パーキングエリア)がありますが、この2つの違いはありますか?
大石:どちらも高速道路で運転の疲れを癒すための休憩をする施設で、大きな違いはありません。強いて言えば、SAは人と車が必要としているサービスを提供する施設です。たとえば、人へのサービスとしてはトイレやレストラン、休憩スペースなど、車へのサービスとしては駐車場やGS(ガスステーション)があります。ただし利用状況によって、レストランやGSがないSAもあります。

一方、PAはドライバーの疲れや緊張をとるための休憩施設です。例えばトイレや売店、軽食コーナー、自動販売機などが設置されていますが、こちらも利用状況に応じて、GSやレストランがあるPAもあり、近年施設が充実しているPAも増えているので、一概に提供しているサービスの内容でSAとPAを区別することは難しいです。
――だんだんSAとPAの差がなくなってきているんですね。
大石:そうですね。複数のテナントが出店している「Pasar」(パサール)や、地域の特色を活かした「ドラマチックエリア」なども展開していて、SA・PAいずれにも充実した施設が増えています。
設置間隔としてはSAが50kmにひとつ、PAは15kmにひとつを目安にしていますが、これも路線の特徴などを総合的に見て決めるので、必ずしも一定距離というわけではありません。

SA・PAの案内標識の読み解き方
――様々なSA・PAがあって、初めてだとどこに立ち寄るべきか迷います。何かおすすめの選び方はありますか?
大石:SA・PAで休憩するときに参考になるのが、高速道路上にある案内標識です。SA・PAまでの距離や施設、場所によっては混雑状況なども案内しています。
案内標識のマークにはP(駐車場)、ガスステーション、ナイフとフォーク(レストラン)、コーヒーカップ(軽食)など、そこにある施設が一目でわかるようになっています。

混雑状況を示す案内標識は「満車」、「混雑」、「空有」が表示されますが、これはリアルタイムでSA・PAの駐車場を撮影しているカメラの画像をコンピューター処理して、そのときの駐車場の混雑状況をお知らせしています。
また、「ドライブトラフィック」では、リアルタイムで全国の高速道路の渋滞情報や一部のSA・PAの混雑状況を発信していて、スマホでも確認できるのでチェックしてみてくださいね。

SA・PA利用のマナー&ルール
――SA・PAを利用するときに注意してほしいルールなどはありますか?
大石:SA・PAの駐車場は、「普通車」「大型車」「トレーラー」「身障者用」「二輪車」など、車種ごとに駐車マスが区分されています。混雑していても、ご自身の車両サイズに合った駐車マスに駐車してください。とくに大型車枠に普通車を駐車してしまうと、長距離を走行してきたトラックドライバーが休憩できなくなるなど、思わぬ支障をきたしかねません。ハイシーズンなど、誘導員がいる場合はその指示に従っていただくのが安心ですね。
そのほか、SA・PAでは車中泊はNGなのでご注意ください。東北道の佐野SAと長者原SAには宿泊施設「E-NEXCO LODGE」が併設されているので、例外的にSA・PAに泊まることができますよ。
便利でお得なSA・PA利用術

――最後に、NEXCO東日本社員だからこそ知っている、SA・PAの活用術があれば教えてください!
中田:高速道路を利用しなくても、一般道からでもアクセスできるウォークインゲートが設置されているSA・PAもあります。専用の駐車場もあり、休憩はもちろん、食事や買い物もできるので、とても便利です。地元の方が普段使いしているケースも多いようですね。


大石:また、大きなSA・PAには「エリアコンシェルジェ」がいるのをご存じでしょうか?渋滞情報や観光情報、おすすめのお土産など、直接話を聞くことができますし、地元出身の方が多いので、周辺情報など詳しい話も聞けますよ。
――インフォメーションにコンシェルジェさんがいるのは知っていましたが、周辺の観光情報まで聞くことができるなんて驚きです。
大石:そうですね、コンシェルジェオリジナルの案内ペーパーを作っていることもありますので、ぜひ気軽に声をかけてみてくださいね。


大石:さらにSA・PAの楽しみといえば、やはりご当地グルメです。2025年10月~2026年3月には、NEXCO東日本のSA・PAで販売する地域の特色をいかした各店舗自慢のハイウェイめし125品の中から、2代目ハイウェイめし王者を決めるグルメコンテスト「第2回ハイウェイめし甲子園」が開催されました。高速道路でしか食べられない、とっておきのグルメを食べ比べてみてください。

また、そこでしか買えない限定販売の商品や特産物など、喜ばれるお土産もたくさんあります。SA・PAに寄ったら、休憩するだけでなく、グルメやショッピングもぜひ楽しんでほしいですね。
ウォークインゲートのあるSA・PAはこちら コンシェルジェのいるSA・PAはこちら安全運転で楽しむ高速道路!SA・PAを目的地に旅へ出かけよう

高速道路に入る前の準備から、安全な走行のポイント、そして万が一のトラブルの際の対処方法まで、基本的なポイントについてお話しいただきました。初心者ドライバーはもちろん、運転歴の長いドライバーにとっても近年の高速道路を取り巻く環境の変化を改めて知ることができたのではないでしょうか。
また、高速道路のSA・PAについても新しいサービスや施設が充実していること、地域性に富んでいることなど、今や“休憩する場所”にとどまらず、目的地のひとつとしても常に進化を続けているようです。
次に高速道路を利用する際はぜひ、時間に余裕をもってSA・PAに立ち寄ってみてください。そしてその土地ならではの味や雰囲気に触れてみてください。きっと心まで豊かにしてくれる素敵なひと時を過ごせるはずです。