高速道路に関わるゲストをお迎えして、ドライブやSA・PAにまつわるエピソードをお聞きする連載企画「私の推しSA・PA」。第1回のゲストは、長距離ドライバー兼YouTuberとして活動する「おじとらチャンネル」さん。全国のSA・PAを日常的に利用するドライバーならではの視点から、高速道路やSA・PAでの過ごし方や楽しみ方を伺います。
さらに、NEXCO東日本とのコラボで誕生した「たっぷりキャベツの塩タンメン」の裏話も公開。動画内では語られなかったエピソードにも注目です!
プロフィール

熊本県出身。九州を拠点に、全国へ青果や冷凍食品を運ぶ長距離トラックドライバー。2018年の夏からYouTubeでの活動を開始し、「トラックをこよなく愛するおじちゃんトラッカー」として、ドライバーの日常を発信。
Youtube「おじとらチャンネル」「トラックの景色を息子に見せたい」という思いから始まったYouTube活動。ドライバーの景色をありのままに届ける

―――YouTube活動を始めたきっかけは何ですか?
息子にトラックの仕事を見せようと思ったのがきっかけです。昔の長距離ドライバーは家族を乗せて走ることが多くありましたが、今はコンプライアンスで社員以外を乗せられないルールができて、僕がやっているドライバーの仕事を見せられなくなったんです。それでYouTubeに動画を出してみようと思いました。

動画を始めた頃、最初は誰も見てくれなくて、再生数は僕と息子で2回とかでした(笑)。でも、動画を数本出してからは2か月くらいで一気に伸びて、登録者数が2万人くらいに増えましたね。
―――YouTubeの視聴者はどのような方が多いのですか?
視聴者は70%以上が45歳以上で、現役ドライバーだけでなく引退された方も見てくれています。あとはドライバーの家族の方などもいて、「主人がトラックに乗っています」「息子が乗っています」というコメントがありますね。
当時、トラックのYouTubeは車の紹介や洗車の動画などの専門的な内容ばかりでした。でも僕の場合はジャンルがちょっと違って、SA・PAなどでご飯を食べたり景色を見せたりするので、映像を見て懐かしいと言うドライバーがけっこう多かったんです。
―――YouTube活動のモチベーションや、嬉しいことを教えてください。

僕の動画では高評価のコメントが多く、そのような温かいコメントをいただけることがモチベーションです。あとはSA・PAに行くと必ず視聴者さんに声をかけられるので、見ていただいているのかなと思うと嬉しいです。
視聴者さんの中には、僕と間違えてほかのドライバーに声をかけてしまう人がいるので、そういったトラブルがないようにトラックのナンバーを公開しています。高速道路を走っていると後ろにトラックが3台くらいずっとついてくることがあって、パーキングに入ってトラックを停めた瞬間にみんな声をかけてくれました(笑)。
―――YouTube活動をやっていく上で、会社の協力はあったのですか?
YouTube活動は以前勤めていた運送会社のときから始めましたが、役員の方が協力的でした。会社としてはいろいろな決まりがあってYESとは言えないけど、従業員の募集にもすごく貢献しているから、批判を受けなければいいということで、僕だけ認めてもらえました。
今所属している会社もYouTube活動への理解が深く、本社には映像を確認する部署もあります。コンプライアンス違反があったらすぐに止めて、視聴者からクレームが来た場合の対応を行うなど様々な協力を受け、動画として形になっています。
―――ドライバーとして働き始めたころのお話を教えてください。

僕はもともと漁師だったんですよ。中学を卒業してから続けていましたが、19歳でピタリと魚が取れなくなり、船のローンを払うためにトラックを買って野菜を運び始めました。
魚から野菜を扱うことになり、いろいろな面で難しさもありましたが、トラックの仕事は大変だとは感じませんでした。今思うとまったく苦ではなかったですね。 25歳になって、結婚したのをきっかけに近所の運送屋に入社しました。新婚旅行はトラックで荷物を運びながら日本を2周したんです。本州の観光地にはほぼすべて行きました。
おじとらさんの推しSA・PAはここ!トラックドライバーのお気に入りグルメ&お土産

―――長距離ドライバーとして、おすすめのSA・PAを選ぶならどこですか?
どこもいいところはあるから、「ここ」と1つに決めるのは難しいですが……。
グルメで選ぶなら、常磐道の四倉PAかな。僕は貝が大好きなんですが、四倉PAに行くと、たまに刺身定食などで貝を使ったメニューがあるんです。日によってメニューが変わるので、「今日のメニューは何かな」という楽しみがありますね。
荷物を仙台へ運ぶとき、本来は東北道を使う方が早いのですが、あえて常磐道を選んで四倉PAに立ち寄るスケジュールを立てます。会社の人もそれを知っていて、僕の仙台ルートは常磐道を登録してくれるんです。
あとは東北道だと、仙台南ICから乗って上り1つ目の菅生PA(上り)で牛タンを食べると、「仙台に来たなあ」と感じます。
菅生PA(上り):地元宮城の食材を使用したメニューや「食材王国みやぎ」特産品コーナーなど、地元銘菓や地域商材が充実。地域と人をつなぐ空間を演出している。
常磐道の友部SA(上り)には納豆コーナーが充実していて、藁に包まれた納豆を何種類か買って食べ比べたり、会社の人に渡したりしています。仙台から帰るときは朝方に友部SAを通るので、朝ごはんを食べて、お土産に納豆を買うことが多いですね。車を停めるのにちょうどいいタイミングの場所にあるので。
友部SA(上り):「常陸の海」や「常陸の里山」をテーマとして、「武家屋敷」と「蔵」をイメージし、豊かな常陸の恵みと出会える、にぎわいのある空間を演出。 茨城県ならではのグルメやショッピングを楽しめるエリア。ほか、昨日はPasar蓮田にいましたが、いろんな種類のいちごを眺めて過ごしました。あそこには果物がたくさんありますよね。今の時期はいちごが並んでいて、SAのドアが開くといちごの香りが広がりました。春先になるといろいろな果物が出て、季節ごとにSA・PAにあるものが変わるので、土産物もよくチェックしています。
Pasar蓮田:東北道の玄関にあたるSAで、上りはNEXCO東日本でも最大級の規模を誇る。東京土産を中心に、地元・埼玉土産も豊富に取り揃えている。
あとは、大福もちやいちご大福などを買って、車内で食べることも多いです。SA・PAや外の出店で売られているものは、何かの効果でおいしく感じたり、おいしそうに見えたりするんですよね。昨日はPasar蓮田のシュークリームにもやられました(笑)。
長距離ドライバーのリアルに密着!トラックならではの景色と初心者へのアドバイス
―――長距離ドライバーのタイムスケジュールやルーティーンを教えてください。
メインの仕事は、福岡から関東まで冷凍食品かアイスクリームを輸送することです。夕方に出発し、朝方にいつも兵庫県で休息を入れています。昼頃までしっかりと休んで、荷下ろしができる夜の時間帯に合わせて関東へ入ります。
仙台に向かう場合も兵庫までは同じで、その後は日本海側を進み、石川県の徳光PAで10時間ほどゆっくり滞在します。磐越道を通って東北へ向かうスケジュールですね。
―――長距離ドライバーならではのエピソードや、乗用車では体験できないことはありますか?

僕は橋を眺めたり、橋の上を走るのがすごく好きで。橋には必ず欄干がありますが、乗用車では見られない景色も、トラックの運転席の高さからだと見渡せるんです。特に高速道路はガードレールがあるので、普通の人が見られない景色を見られるのは、トラックドライバーのいいところですね。渋滞で止まったときは景色をゆっくり眺められるので、橋の上で止まるとちょっとありがたいです。

トラックから見る景色だと、東北道の安達太良SAあたりが好きです。4月は安達太良山の斜面が桃の花でピンク色になり、5月になるとりんごの白い花に変わってゆきまして、その景色をみると「春が来たなぁ」と感じます。春は高速道路から雪と花が一度に見られるのもいいですね。
―――初めて高速道路を走る人や長距離ドライブをする人に向けて、アドバイスをお願いします。
普通の感覚で走っているとやりすごしてしまったり、混雑していたりと、意外にSA・PAに停められないことがあります。特に初心者は疲れて停まりたくなることがあるので、停められるSA・PAの情報をドライブ前に把握して、計画を立てることが大事だと思います。
もうひとつ大事なのは、自分のペースでゆっくり走ることですね。時速80kmで走ると車を追い越すのではなく追い越される側になるので、あまり疲れません。慣れないうちは周りに合わせず自分のペースで走るほうが、目的地に着いたときの疲労感が全然違いますし、事故に遭う確率も減らせます。
嬬恋村キャベツ大使として開発した「たっぷりキャベツの塩タンメン」の裏話

―――3月にNEXCO東日本とのコラボ動画を公開し、SA・PAのグルメメニューの開発にも取り組まれていましたが、コラボ動画やメニュー開発に至ったきっかけは何ですか?
以前からずっと、九州出身としてなじみ深いちゃんぽんを出したかったんです。どこからか声がかからないかなと思っていたところ、NEXCO東日本さんからコラボのお話をいただいて、すぐ「やります」と言いました。東日本での発売なので名前は塩タンメンですが、ちゃんぽんと似ているところがあるので、発売されるのが嬉しかったです。
―――嬬恋村キャベツ大使としてメニューを開発されていましたが、どのような経緯でキャベツ大使に任命されたのですか?
夏に嬬恋村からキャベツを運んでいることがきっかけで、嬬恋村の農家にいるファンの女性たちが僕を「キャベツ大使に」と、村長さんに推薦してくれたことで実現しました。キャベツ大使の委嘱状をもらうときには嬬恋村の夏まつりに合わせて、FMぐんまの公開生放送にスタジオを作っていただけるほど盛り上げてもらいました。
キャベツは夏の時期にだけ、嬬恋村に行ったときに1年分食いだめしています(笑)。農家の方がお土産に20箱くらいキャベツをくれるので、PAで仲のいいおばちゃんたちや、事務所にいる女性陣にお土産として配っています。近所の人と「キャベツの時期だね」なんて話もしますね。
―――コラボメニュー「たっぷりキャベツの塩タンメン」のこだわりは?

ドライバーの健康を気遣って、野菜たっぷりに仕上げました。野菜が470g入っていて、1杯で1日分の野菜を補えます。食べた後にすぐ寝ても罪悪感がなく、寝る前にお腹いっぱい、たっぷり野菜を食べてもらえるように、あっさりした味付けにこだわりました。
―――コラボ動画でメニュー開発をした「太田強戸PA」の魅力を教えてください。
太田強戸PAは上下線が一つになった集約型パーキングで、ウォークインゲートがあるので一般道からも行くことができます。

―――最後に、読者やファンの方へ向けたメッセージをお願いします。
ドライバーとして「こんなのがあったらいいな」というメニューを作りました。トラックドライバーだけじゃなく、高速道路を利用されるみなさんにもSA・PAに立ち寄っていただいて、ぜひ「たっぷりキャベツの塩タンメン」を食べてみてほしいです。
「たっぷりキャベツの塩タンメン」3月19日より東日本エリアSA・PAのフードコートで販売開始!

【メニュー販売(予定)エリア】
・太田強戸PA(集)
・狭山PA(外)
・嵐山PA(上下)
・駒寄PA(上)
・甘楽PA(上下)
・谷田部東PA(上)
・都賀西方PA(上下)
・大谷PA(上下)
・都筑PA(上)
・湾岸幕張PA(上)
・野呂PA(上下)



