未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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知られざる「伊豆のお遍路」を訪ねて

快適爽快スイスイ巡礼

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.114 |25 May 2018
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#3下田でレンタサイクル

伊豆急下田駅で電動自転車をレンタル!

 お遍路は、【一番札所から番号順に巡る「順打ち」が一般的】(四国地区観光公式サイト)らしい。伊豆のお遍路の一番札所は伊豆市にある嶺松院なのになぜ下田に向かったかというと、もちろんそれには理由がある。

 今回、僕の初めてのお遍路に付き合ってくれたのは、「伊豆八十八カ所霊場遍路」の復興と繁栄を目指す「伊豆霊場振興会」の4代目会長、遠藤貴光さん。この4月、伊豆霊場振興会が静岡県伊豆観光局の冊子「伊豆御朱印サイクル」を発刊していたことを事前に知っていたので、遠藤さんに取材を申し込んだ際、「自転車でお遍路を巡りたいんですが」とリクエストしたところ、「それなら下田にいきましょう!」とお勧めされた。今年1月から下田を含む南伊豆エリアで新しいレンタサイクルの取り組みが行われていたのだ。

 「下田市、河津町、南伊豆町、松崎町、西伊豆町の1市4町に20カ所のステーションを新設し、80 台の電動アシスト機能付き自転車を導入するというものです。スマートフォンで『HELLO CYCLING』のアプリをダウンロードすると、簡単に自転車の予約、決済ができるし、どこのステーションにも自転車を返却することができるのでとても便利なんですよ。でもまだ利用したことがなかったから、良い機会だなと思いまして(笑)」

今回、案内役を務めてくれた「伊豆霊場振興会」の4代目会長、遠藤貴光さん。

 体験したいことはやまほどあるけどツラいことはまっぴらごめんというヘタレ精神を誇る僕は、「電動アシスト機能付き自転車」に惹かれた。伊豆は山がちで坂道が多い。ちなみに今回、僕は400キロ、88カ所の制覇を目指して……はおらず、下田から自転車で行ける数カ所の札所を巡るライトなサイクリングだが、なにはともあれ、電動自転車、最高じゃないですか!

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未知の細道 No.114

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。