伊豆急下田駅のステーションで自転車を返却すると、すぐにメールで返却完了通知が送られてきた。通知によると、利用時間は1時間37分で、料金は910円、走行距離は9.8キロ。4つの札所を巡って約10キロを動き回ったけど、疲労感ゼロで観光地における電動自転車のポテンシャルの大きさを感じた。
江戸時代の人たちと同じように徒歩で挑むのもいいだろう。でも、今回訪ねた4つの札所を徒歩で行くかと言われれば、僕の答えはノーだ。それぐらい、電動自転車は快適で、圧倒的に爽快だった。山道だってすいすい~と登れるはずだ。
電動自転車なら、伊豆のお遍路400キロを走破できるかもしれない。今回は何も考えないままに4つの札所を巡ったけど、なにかしら目的をもって「結願」したい。そう思った僕は、遠藤さんに「電動自転車、伊豆半島全体に広げてください!」と頼み込んだ。
遠藤さんは「そうですね!」と苦笑していたけど、もし実現したら伊豆のお遍路は電動自転車で走る白装束の巡礼者でいっぱいになるかもしれない。その人たちは、スマホでお寺の由来を知り、歴史に思いを馳せる。それはもう「お遍路2.0」だ。

川内イオ