未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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子どもの楽園!清流のオアシス!

夏がきた!うしづま水辺の楽校

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.118 |25 JULY 2018
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#320年の取り組み

開校式で挨拶をする世話人会の副代表、荻野さん

 天候に恵まれ、ジリジリとした陽ざしのなか、開校式が始まる頃には、子ども連れの家族を中心に大勢の人たちが水辺に集まっていた。僕の目測では、数百名はいたと思う。
 市長や市会議員、国土交通省の関係者も参加する想像以上にキッチリとした開校式の後、いよいよ海開きならぬ川開き! 今か、今かとジリジリしていた子どもたちが、ワーッ! と歓声を上げて川に飛び込んだ。

「魚と泳ぐエリア」で水辺の生物を探す子どもたち

 安部川を正面に見て右側の「魚と泳ぐエリア」では、水中メガネをつけ、網やバケツを持った大勢の子どもたちが、水の中をのぞき込んでいる。魚を取ろうとしているのだ。

 その様子を見て、嬉しそうに目を細めていたのが「うしづま水辺の楽校」を運営する地元のボランティア団体・世話人会の副代表、荻野さん。今回、取材に応じてくれた方だ。荻野さんは、世話人会が立ち上がった時からのメンバー。ということは10年目ですか? と聞くと、いやいや、と首を振った。

「もともと、安倍川フォーラムという会で10年間、同じような取り組みをしていました。その時は安部川を利用していたんだけど、川の状態で開催できる、できないが左右されるでしょ。だから、この場所を国交省に作っててもらいました。それで、2009年からうしづま水辺の楽校と名前を変えて10年目。安倍川フォーラムと合わせたらもう20年だ」

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未知の細道 No.118

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。