

1999年にスタートした安部川フォーラムは、日本河川協会が主催する日本水大賞で2006年に【奨励賞】を受賞している。当時の会長の受賞の言葉を見ると、フォーラムは子ども時代に安部川で遊んでいた大人たちが「河原に仲間、市民、子どもたちを呼び戻したい」という思いから立ち上げたもので、「安倍川の素晴らしい自然を大人が責任を持って次世代を担う子供達に渡すこと」を目的にスタートした。うしづま水辺の楽校は、フォーラム創設時のメンバーによって運営されているのだ。
特筆すべきはこの20年間、誰からも、どこからも資金的なサポートを得ず、自力で会場を整備し、無料で運営していること。さらに、子どもたちが遊ぶ筏やウォータースライダーなどもすべてボランティアによる手作り。徹底的にDIYのプロジェクトなのだ。
「整備も世話人が中心でね。だいたい2ヵ月前から準備を始めるんだ。まずは敷地一帯の草刈りから。開校日から8月31日の最終日まで、運営も世話人がしていて、休日にしている月曜以外、毎日出てくるよ。今、世話人は14人いるんだけど、実際に動けるのは8人ぐらいだから大変なんだ。でもお金は一銭ももらってないよ。ぜんぶボランティア。お金をもらっちゃうと、制約がかかるでしょう。帳簿書いたりするの大変だしね(笑)」

川内イオ