未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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子どもの楽園!清流のオアシス!

夏がきた!うしづま水辺の楽校

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.118 |10 JULY 2018
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#4徹底的にDIY

遊ぶ筏やウォータースライダーなどもすべてボランティアによる手作り!

 1999年にスタートした安部川フォーラムは、日本河川協会が主催する日本水大賞で2006年に【奨励賞】を受賞している。当時の会長の受賞の言葉を見ると、フォーラムは子ども時代に安部川で遊んでいた大人たちが「河原に仲間、市民、子どもたちを呼び戻したい」という思いから立ち上げたもので、「安倍川の素晴らしい自然を大人が責任を持って次世代を担う子供達に渡すこと」を目的にスタートした。うしづま水辺の楽校は、フォーラム創設時のメンバーによって運営されているのだ。

 特筆すべきはこの20年間、誰からも、どこからも資金的なサポートを得ず、自力で会場を整備し、無料で運営していること。さらに、子どもたちが遊ぶ筏やウォータースライダーなどもすべてボランティアによる手作り。徹底的にDIYのプロジェクトなのだ。

 「整備も世話人が中心でね。だいたい2ヵ月前から準備を始めるんだ。まずは敷地一帯の草刈りから。開校日から8月31日の最終日まで、運営も世話人がしていて、休日にしている月曜以外、毎日出てくるよ。今、世話人は14人いるんだけど、実際に動けるのは8人ぐらいだから大変なんだ。でもお金は一銭ももらってないよ。ぜんぶボランティア。お金をもらっちゃうと、制約がかかるでしょう。帳簿書いたりするの大変だしね(笑)」

定期的に休憩時間も設けられている。開校日は休憩時間も子どもたちが遊べるように工夫されていた。
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未知の細道 No.118

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。