さて、予定の1時間を少し超えて、キッズツアーは終わった。御所ケ丘中の美術部の生徒たちは、さらにスタジオに残って作品をじっくり見ている。彼女たちに、普段は美術部でどんな作品を作っているの? と尋ねると「自分たちはいつも絵を描いているので、こういうインスタレーションの作品はちょっと難しいけれど、とても興味がある」と返してくれた。
ガイドを終えた藤本さんと外山さんにこの話を伝えると、「やっぱり! 彼女たちはアーティストだからね」と藤本さんはにっこりして答えた。「オープンスタジオ」が美術を学び、作品を作っている中学生たちにとっても、何か刺激になる場でありたいと、藤本さんたちはいつも考えているのだ。
アーカスプロジェクトのプログラムでは、この「オープンスタジオ」の案内はもちろん、市外の美術館に一緒に出かけるツアーを行うなどの、美術を学ぶ中学生の活動とのコラボレーションを行なっている。引率の先生たちも「守谷市はアーカスがあるから、美術の課外活動が盛んです」と教えてくれた。
なにより藤本さんたちコーディネーターが、彼女たち中学生を小さな「アーティスト」として捉え、きちんと接していることが、すごくいいなあ! と私は思ったのであった。

松本美枝子