アーカスの活動はコーディネーターなど専門のスタッフの他に、近隣から通ってくるボランティアの人たちによって支えられている。今日も輿石さん、野口さん、山下さん、山野井さんという4名が、子供たちの受付などのサポート業務をこなしていた。「ここでの活動は、普段の生活とは違って、日常では味わえないアーティストとの関わりがあって楽しいですよ」というのは、お隣の坂東市から通っている野口さん。
東京から守谷に引っ越してきて、まだボランティアを始めたばかり、という輿石さん。美術史や英語を学んでいたという輿石さんは、実はアーカスのことは前からとても気になっていたけれど、現代美術は自分には敷居が高いように感じていて、最初はなかなか来られなかったのだという。しかし、ある時ボランティアの募集を知り、思い切って参加した。
輿石さんは「これまでは現代アーティストの活動がいったいどんなものなのか、見当もつかなかったんです」という。でもボランティアとなった今では、その制作現場から関わって間近で見られるようになり、それをとても面白い、と感じている。そして「国内外で活躍しているアーティストやキュレーターの話を直に聞けること、そしてそれぞれの考え方に違いがあることを知ることができるのも、とてもスペシャルな経験なのよね」と教えてくれた。

松本美枝子