
国分町のいいところは、徒歩圏内に宿泊施設がたくさんあるところだ。私も歩いて10分ほどのホテルに帰り、ベッドに飛び込んだ。幸せな瞬間である。
一晩で酒場を三軒もハシゴしたのは初めてだった。どれも短いながらも濃い時間だったからか、たったの一晩で、しかも同じ国分町内で過ごしていたことが嘘のように感じられる。ハシゴするのはもったいないくらい、どの音楽酒場もまったく違った個性があって特別な空間だった。
「次に仙台に来るときは、三泊はしないと」
一晩でお気に入りの酒場が三軒もできてしまった。次は「酔奏楽部 宝島。」でもっと大人数で常連さんたちと合奏がしたいな。「Music Bar Seed」ではギターを教えてもらいながらお酒が飲みたい。「sound & visual ARPEGGIO」に行く前にカラオケで何曲か練習してこよう。
ほろ酔いの頭で考えるのは、次に仙台に来るときのことばかり。それぞれの場所で「おかえりなさーい」と言ってもらうことを想像しながら目を閉じた。管楽器やギター、歌声が混ざり合う、にぎやかな夢が見られそうな夜だった。