未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
140

高山で生きる不思議な鳥

ライチョウを育てる 大町山岳博物館

文= 松本美枝子
写真= 舘かほる
未知の細道 No.140 |25 June 2019
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#5初めて見たライチョウ

博物館の入り口を出て坂を上がると、林に囲まれた斜面に沿って付属園がある。この付属園ではライチョウのほか、カモシカ、フクロウ、トビなどの野生動物を保護、飼育しているのだ。傷ついて保護され、ここにやってきた動物たちも多い。ライチョウの繁殖技術を確立するために、ノルウェーからやってきた、育てやすいスバーバルライチョウもいる。

付属園の入り口にあるスバーバルライチョウのブースを通り抜けると、いよいよライチョウ舎だ。
大きなガラス窓の向こうには、山を模したスロープが広がった展示室。その奥側のガラス窓に、ぴたりと張り付くようにして、ライチョウはいた。まるっとした体に小さな頭をすくめて佇む姿、小さな顔の中にある黒々とした瞳、なんとも言えずかわいらしい。まだら模様の夏羽もきれいだ。
そうか、君たちの仲間は、こんな小さいかわいらしい姿で、あの高い、厳しい山の中を生きてきたのか! と思った。

ライチョウはおとなしく、奥の窓際でじっと動かないままだ。
「しばらくはこのままあそこから動かないでしょうね。もう少ししたら餌を食べに、もっと見えやすい所まで動いてきます。またお昼頃戻って見に来ましょう」と宮野さんに促され、いったんライチョウ舎をでることにした。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。