未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
141

海と森のあいだの学び舎で

サステナブルな暮らしを体験

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.141 |10 July 2019
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#7五感のスイッチを押される

あらためてモリウミアスの建物内や周辺を見渡すと、作者とタイトルのついた「作品」がいたるところにあることに気づく。

「アーティストが作品を制作しながらここに滞在するアーティストインレジデンスも行っているんです。条件は子どもへのワークショップを行うこと。最長で半年くらい暮らした人もいますよ。ほとんど海外からのアーティストで、たくさん問い合わせがあります」と油井さん。

聞けば、学びの場にアーティストを呼ぶことをとても重要だと考えているという。「アーティストって必ずしも決められたゴールに向かって何かをつくるわけじゃない。その姿勢は、正解を求めがちな子どもたちの創造性を引き出してくれます」(油井さん)。

私たちはたった2日の滞在だったけれど、大人にとっても、紛れもなくモリウミアスは学び舎だった。森や海で五感をひらく「自然体験」も、ひと昔前の人は当たり前にやってきたことだと考えると、私たちを取り巻く環境の変化に愕然としてしまう。

親の立場で、子どもたちにどんな体験をさせていける? という壮大な宿題をもらった。「教育に答えはない」。だからこそ、モリウミアスに足を運んで五感を開き、これからの子育てを、暮らしを、思い描く機会をまた持ちたい。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。