食についてもサステナブル、すなわち自給自足に近いモリウミアス。米や野菜の栽培、家畜飼育などの農業はもとより、その恵みを活かす加工にも力を入れる。塩は海水を汲んでつくり、味噌や甘酒も自家製だ。
「味噌の原料になる麹は、閑散期の冬に空いている部屋を麹室にして仕込むんですよ」と油井さんは当たり前のように言うが、それは意外と難しいこと。季節によって仕事が変化することは、自然と共存して暮らすことの基本でいて、今、失われつつある感覚だろう。
施設を見回っているうちに、子どもたちはごはんに向けた準備をしていた。「食べる人の口の大きさを想像して」と言われて丸めた肉団子、甘酒で味をつけた自家製鮭フレーク、さらには飯ごう炊飯まで。


「お手伝い」の枠を出ると、なんだかすごく生き生きしている。娘は、「マッチで火をつける」を体得して、とても誇らしげだった。