気づけばお昼前になっていた。そろそろ出る時間だ。娘に「もう行くよ」と言っても、「もうちょっとだけ!」と言いながら、雑草をあげ続けていた。そんなに楽しいなら、また近いうちに連れてきてあげようと思う。
車のなかから4人で「また来ます!」と手を振って菅野さんに別れを告げ、ランチは再び道の駅「富楽里とみやま」。みんなでラーメンを食べた後、車で5分ほどの岩井海岸へ。
ここは遠浅で波も穏やかだし、水質はAAで透明度も高い。岩場があって、カニやヤドカリ、小さな魚も簡単に見つかるから、子どもが遊ぶにはいい海岸だ。海が大好きな娘は、シャツと短パンで大はしゃぎ。カニやヤドカリを採ったり、浜辺を駆けまわったり、穴を掘って貝を探したり。
その間、妻は砂浜で居眠りし、Sちゃんは海を眺め、ブラブラと散歩。それぞれの時間を過ごしながら、思う存分に初夏の海を楽しんだ僕たちは、1泊2日とは思えないフルコースのような旅を振り返りながら、帰路に……就く前に、もう一度、クルックフィールズへ戻った。「もう一度、あの卵が食べたい!」と意見が一致し、クルックフィールズのパン屋さんで売られている卵を購入。それぐらい、忘れがたき卵なのだ。


馬森牧場と岩井海岸は、森と海を一度に体験できるゴールデンルートだ。ここにクルックフィールズが加わった今、このルートはプラチナ房総トライアングル。ここに大々的に書いてしまって、人気のコースになってしまったらどうしよう……という不安もあるけど、それもまたよし。また自由に移動できるようになったら、今度は友人たちを誘ってもう一度このルートを旅しよう。
※未知の細道では、新型コロナウイルスの影響が収まるまで、ライター陣の過去の旅をつづるエッセイを掲載いたします。