さて、フィールドワークに話を戻そう。「じゃあ作業する前にブレンドティーをテイスティングしましょう」と7種類のお茶が用意されたラボへ。このラボ、なんともトキメク造作をしていて、参加者一同の女子たち(もちろん私も含む)うっとりとため息。
camino natural Labo.のハーブティーの原材料の多くは、寿香さん自身がこの地で育てたもの。ハーブティーは、8年前からイベントなどで対面販売している。体質や体調に合わせたブレンドは、勉強を重ねると同時に経験から少しずつアップデートしてきた。
フィールドワークの時には、それぞれすべてのお茶をティスティングして、どの味が一番しっくりくるかを報告し合う。でも、体を動かした後にはどうやら好みが変わるらしいから楽しみだ。
そして森へ。といってもいきなりハードな作業をするわけではなくて、昼食のための火をおこした後は、森の中を散歩しておしゃべりしながら、寿香さんが教えてくれる森や自然との関わりにうなづいたり、考えを深めたり、という穏やかな時間で午前中は終わった。
「いつもきっちりスケジュールがあるわけじゃないんです。天気や人次第だし、緩やかなのがいいかなと思って」と寿香さん。すっかり森で過ごす心地よさに緩んだ気持ちになっていると、もうお昼。七輪に置いて温めておいたスープと石焼き芋がいい感じにできあがっていた。
通常のフィールドワーク時には同じ明野にある「ホタル食堂」のお弁当が供されることが多いそうだが、この日はお休み。代わりにと寿香さんが作っておいてくれたスープは、豆や野菜がたっぷりなのに加えてスパイスの加減がちょうどよく、みんなで何度もおかわり。石焼き芋には、寿香さんとっておきのさまざまなバターをつけて。ハーブなどを混ぜた変わりバターも堪能した。出来立ての焼き芋とバターに、複雑な味わいの手作りスープ、楽しいおしゃべり……これぞ幸せ! ではないか。