未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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知られざる「伊豆のお遍路」を訪ねて

快適爽快スイスイ巡礼

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.114 |25 May 2018
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#6伊豆にも残っていたお遍路文化

風光明媚な伊豆。

 伊豆に戻り、「伊豆霊場振興会」の3代目会長に四国のお遍路に行ってきたと報告すると、それからしばらくして「4代目をやってくれないか」とオファーを受けた。恐らく、経営的な視点を持ち、なおかつ四国のお遍路を経験している人材などほかにいないからだろう。こうして2016年7月、4代目の会長に就いた遠藤さんは、寺社への挨拶もかね、22日かけて伊豆のお遍路400キロを歩いた。その旅路で、驚くことがあったという。

「四国特有のものかと思ったんですが、伊豆にもお接待さんの文化があったんです。僕は四国のお遍路と同じ格好で歩いていたんですが、そうすると畑仕事をしている人や道行く人が話しかけてくる。それで伊豆のお遍路の話をすると、お茶でも飲んでいきなさいと。これは日本人共通のおもてなしの文化なのかもしれませんが、感動しました」

 歩いている途中で、伊豆のお遍路のポテンシャルも感じたそうだ。伊豆には質の高い旅館が多く、温泉もたくさんある。海と山が同時に楽しめて、風光明媚。これはいける! と手ごたえを得た遠藤さんは、伊豆のお遍路の復興に立ち上がり、様々な取り組みを始めた。

 そのなかで力を入れていることのひとつが、レンタサイクルによるお遍路なのだ。伊豆は山がちで抜け道が少ないため渋滞が起きやすいし、起伏が激しいから歩いて巡るのも楽ではない。自転車、特に電動自転車なら渋滞も、起伏も気にせず、老若男女が伊豆の風を感じながら、お遍路を巡ることができる!

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未知の細道 No.114

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。