未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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知られざる「伊豆のお遍路」を訪ねて

快適爽快スイスイ巡礼

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.114 |25 April 2018
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#8川と山を眺めながらサイクリング

1402年に創建された向陽院。

 次は、広台寺から北に1.5キロ、5分ほど走って、第45札番の向陽院へ。1402(応永9)年に創建されたこのお寺は、広台寺とはまた違った少しワイルドな雰囲気で、それがまた歴史を感じさせる。

 ここの由緒は【1402(応永9)年に天台宗の阿闍梨が諸国行脚で河内を訪れ、地蔵密庵と号した草庵を結び、虚空蔵菩薩と地蔵菩薩を奉ったことが草創です。】とある。この日はたまたま本殿が閉まっていたのだけど、虚空蔵菩薩と地蔵菩薩、気になる!

 次は稲梓川沿いの道を南に下り、了仙寺へ。距離は4キロで、時間は15分程度。運動不足の身にとって、歩いたり、走ったりすると思うと4キロはハードルが高すぎるけど、電動自転車ならあっという間! 川と山を眺めながらのサイクリングはとても気分が良く、あっという間についた。

ペリーと日本の間で日米下田条約が締結された了仙寺。

 ここはお遍路の寺院ではないのだけど、遠藤さんが「下田の寺院といえば了仙寺も紹介しないと!」と連れて行ってくれたのだ。このお寺は、黒船が来航した時にペリーと日本側全権の林復斎(大学頭)の間で日米下田条約が締結された場所として知られる。歴史音痴の僕もさすがに「あの黒船のペリーが!」と驚いた。了仙寺はアメリカジャスミンが満開で、甘い香りが漂っていた。

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未知の細道 No.114

川内イオ

1979年生まれ、千葉県出身。広告代理店勤務を経て2003年よりフリーライターに。
スポーツノンフィクション誌の企画で2006年1月より5ヵ月間、豪州、中南米、欧州の9カ国を周り、世界のサッカーシーンをレポート。
ドイツW杯取材を経て、2006年9月にバルセロナに移住した。移住後はスペインサッカーを中心に取材し各種媒体に寄稿。
2010年夏に完全帰国し、デジタルサッカー誌編集部、ビジネス誌編集部を経て、現在フリーランスのエディター&ライターとして、スポーツ、旅、ビジネスの分野で幅広く活動中。
著書に『サッカー馬鹿、海を渡る~リーガエスパニョーラで働く日本人』(水曜社)。

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。