宮城県石巻市
2011年、東日本大震災により甚大な被害を受けた石巻雄勝地域。
「復興とはなんだろうか」。
この土地にずっと暮らしてきた人、新たに訪れた人が、地域の資源を真摯に見つめるなかで生まれたのは、ここにしかない、とびきりの泊まれる学び舎だった。
最寄りのICから【E45】三陸自動車道(無料区間)「河北IC」を下車
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人口は少なく、観光地でもない。でも、その土地で築かれてきた暮らしや人がつくりだしてきた風景にじっくり向き合えば、とびきりのきらめきがある。そんな土地が日本中にあるのだと思う。
宮城県の山沿いに実家のある私が、同じ県内の石巻市雄勝地域と縁ができたきっかけは、東日本大震災から3年後の2014年、『雄勝の50の物語』というタブロイド紙のライターとしてだった。インフラ整備が進む土地において、まだ誕生間もない「MORIUMIUS(モリウミアス)」のことも知った。
その後も震災復興の好例として、さらには新しい教育の現場としての評判を耳にすることが多いこの施設に、子ども連れで1泊2日の体験へ出かける機会に恵まれ、6月、私と4歳の娘、そして数組の家族と雄勝に向かった。
きらきら輝く海と差し迫った山がつくる独特の地形は美しい。同時に、かつては浜(集落)ごとの行き来も難しかったという地域の道は、くねくねと曲がっていて厳しさも感じさせられる。そうだ、初めて雄勝に来たとき、私はこの道で車酔いをしたのだった。