
山梨県富士吉田市
山梨県富士吉田市民のソウルフード、「吉田のうどん」。コシのある太麺に、馬肉とキャベツ、唐辛子の調味料「すりだね」をプラスするのが基本のかたちで、現在市内では約45軒の吉田のうどん店が営業している。しかし、これでも店は減少の一途。そこで愛するうどんのために立ち上がったのは、高校生たちだった。
最寄りのICから【E68】中央自動車道(富士吉田線)「富士吉田西桂スマートIC」を下車
最寄りのICから【E68】中央自動車道(富士吉田線)「富士吉田西桂スマートIC」を下車
富士吉田市といえば、いまや日本人より外国人観光客が多いのでは? というほどの人気スポット。特に、新倉山浅間公園から見える忠霊塔と富士山をのぞむ景色は、「chureitou」と呼ばれて大人気。ほぼ固有名詞になってしまったらしい。試しにchureitouとパソコンでイメージ検索してみたら、見事に富士吉田の忠霊塔ばかりが並ぶ。
さて、きっと忠霊塔を目指してやってきた多くの人も食べているであろう富士吉田市の名物が、「吉田のうどん」だ。ボリュームたっぷり、400円〜というリーズナブルさもあって、「B級グルメ」とも称されるが、吉田のうどんの歴史は昭和初期まで遡り、この土地の特性から誕生したもの。農林水産省の「郷土食100選」にも選ばれている。
富士吉田市は繊維産業が盛んなまち。「機織りの音が子守唄」なんて言われるくらいで、今も伝統的な郡内織物が名産であり、若手が中心になって「ハタオリマチ」として盛り上げている。
この産業が隆盛を極めたのが昭和初期。織り手である女性の手を止めぬように男性がうどんを打って昼食にしたのが、吉田のうどんの始まりだと言われている。力のある男性が足で踏みつけて作るうどんはコシがあり、安価なキャベツや馬肉を具材とした。これを取引に来ていた問屋さんたちに振る舞うと人気を呼び、やがて「店」として営業する人が現れたそうだ。