未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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日本で越冬するガンの8割が飛来! ラムサール条約の湿地で、野鳥観察入門

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.151 |10 December 2019
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#5どどどどどーっ

コーヒーを飲みつつ沼の方を眺めていると一部の鳥が飛び立ち始めた。「わぁ」と小さく歓声を挙げるが、「まだまだこんなもんじゃないよ」と声をかけられた。天気やさまざまなコンディションによって飛び立つタイミングはさまざまで、ピタッと日の出の時間に飛び立つわけではなく、全部のガンが一斉に、ということでもないらしい。

6時過ぎ。「あ、来たぞ」の声と共に、どどどどどーっと水面からおびただしい数のガンが飛び立った。その様子を見ていると、その迫力に体がぞわーっとした。こんなにたくさんの生き物に見下ろされる体験はそうそうないだろう。頭上をすごい数の生命が横切っていく。その気配に思わず息を止めた。周りの人たちも一瞬歓声をあげた後は、あっという間に飛び去っていく頭上のガンを一生懸命目で追ったり、素早くシャッターを押したり、緊迫感が漂っていた。

半ば呆然としながら再びバスに乗り込んでサンクチュアリセンターへ。静寂のなかで聞いた沼と鳥の鳴き声、水面を打ち鳴らしながら飛び立つ迫力……たしかにそれは視覚と聴覚の両方に深く刻み込まれる自然の壮大さだった。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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