未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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日本で越冬するガンの8割が飛来! ラムサール条約の湿地で、野鳥観察入門

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.151 |10 December 2019
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#8野鳥観察の楽しみから広がる、環境保全への意識

枯れたハス。この下にはたくさんの野生のレンコンが実っている

ラムサール条約の事務局の発表によると、1975年から四半世紀の間に、世界の湿地の35%が失われたそう。生物多様性を育む自然環境が猛烈な勢いでなくなっていることを知ると、数十分で行き来できる3つのタイプの水辺があることの尊さをあらためて考えさせられる。それぞれが相互に補完し合いながら生物多様性が担保されているのだ。

「サンクチュアリセンターでの私たちの仕事は、多岐に渡ります。環境保全は重要な課題で、ゴールもありません。自然環境をよくしていこうとすることの入り口に、まずは知ること、興味を持つことがあると思います。ですから観察会や展示を通して、自然について興味を持ってもらうことがとても大切なことだと考えているんです。自然って、保全の努力をした分必ず結果が返ってくるものなんですよ。だからおもしろいし、たゆまずやっていかなくてはいけないと思いますね」と嶋田さんは言う。

地元でも「ガンの飛び立ちは見たことがない」という人が多いのが、日本一の渡り鳥の越冬地の実情だ。灯台下暗しとはまさにこのこと。私は、圧倒的な景色を目の当たりにして、遠くアフリカのサバンナや熱帯のジャングルに行かなくても、動物のスペクタクルは見られるのだ! と感動した。一方で、普段気に留めない鳥のおもしろさにも気づくことができた。

いろいろなシチュエーションで楽しめる野鳥観察。まずは双眼鏡やアプリをゲットして、家の周りの鳥を観察してみようと思う。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
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