
秋田県男鹿市
Instagramにたまたま流れてきた、どこかクラシックな雰囲気のただよう素敵な服。発信元は、秋田県男鹿市の洋服ブランドOwn GArment products。興味を惹かれてフォローすると、日々すてきな洋服を眺める楽しみができた。肌触りがなめらかそうな、着心地が良さそうな、あの服たちを纏ってみたい。そんな想いに駆られて、初めての海辺のまちを訪ねた。
最寄りのICから【E46】秋田自動車道「昭和男鹿半島IC」を下車
最寄りのICから【E46】秋田自動車道「昭和男鹿半島IC」を下車
初めての場所を訪ねるのは、緊張する。方向音痴の私が迷わずにたどり着けるか? 初めて会う取材相手の方とちゃんとしゃべれるだろうか? 今回もいつもと同じようにドキドキしながら車を走らせていたら、すぐに目的のお店『縫人nuito』が見つかった。Instagramで見かけたすてきな洋服の直営店だ。
決して、カラフルだったり目立つ店構えというわけではない。でも、木造でセンスの良さを感じさせる雰囲気は、遠くからでも町並みのなかで不思議に目につく。取材に伺った日は定休日。closeの看板を確認して、ドアを開けると、ふわっといい香り。船木一人(かずと)さん、友美子さん夫婦が作業していた。
「遠いところからわざわざありがとうございます!」
こちらが恐縮してしまうほどに、にこにこと歓待してくれる2人とあいさつを交わすとほどなく、自然となぜこの地で服をつくり、店を開き、そして生活しているかの話になっていった。その流れはまるで、なじみの店でふいに琴線に触れる話になっていくかのような、心地いい感じ。こんな取材の始まりもあるんだ、と内心嬉しいサプライズだった。
故郷にUターンし、いまやコミュニティを盛り上げる存在にもなっている船木家の暮らしについて、2011年3月の転機に遡って話してくれた。