ひのめ市をきっかけに、福島肉店の福島智哉さん、こおひい工房珈音代表の佐藤毅さんら同世代で志も同じくする仲間とともに「オガニック農業推進委員会」も立ち上げた。
オガニック農業推進委員会では、自然環境に配慮した農産物の販売、サステナブルな農業を志向する農家向け研修会、市内の学校給食をオガニック食材に変える運動などを続けている。


ちょっと話はわきにそれるが、この「オガニック」というネーミングを聞いたときには膝を打った。お気づきだろうか? 「男鹿」と「オーガニック」、さらに「男鹿に行く」をかけたダジャレ。古くからの地名と英語のコラボレーションが鮮やかに決まっているではないか!
「バラバラなことをしているように見えるかもしれないけれど、全部つながっているんですよね。僕らが作る服も、なるべく環境負荷が少ない布を使ったり染め方をしようと決めていて、最終的には土に還るし、100年続く服を目指しているんですよ」(一人さん)
洋服を眺めていると、デザインがかわいいだけでなく、「100年続く服」の理由が見えてくる。たとえば縫製がすごく丁寧なのだけれど、パンツの裏の縫い目は「折伏せ縫い」という縫い方らしい。
裏返して見せてもらうと、まるで表面のように見える。「縫うのはなかなか大変なんですよ。でもこれですごく長持ちするんです」と一人さん。手間がかかる分、一着一着の値段は安くはないが、それでも愛着のある服を長く着たい人たちにリピーターは多い。