
自分を鼓舞してハンドルを握りしめ、恐る恐る車を出した。むむ?出発から間もなくして、気づいた。その大型バンは、普段運転しているような一般車よりもだいぶ車高が高い。そうなると、もちろん視線も高くなる。そのせいか、なんだか運転しやすい!
首都高から中央自動車道に乗る頃には、もう鼻歌交じり。Pさんのドタキャンで席に余裕ができたので、助手席には誰も座らず、女性陣は後方でおしゃべりに花を咲かせている。僕は自分の世界に浸り、トラック野郎になった気分で、グイグイと車を走らせた。
小淵沢インターチェンジで高速を降り、川内家お勧めのレストラン、八ヶ岳カントリーキッチンでランチ。そこから、まずは少し観光をしようと白駒池に向かった。北八ヶ岳最大の池で、秋には湖面に鮮やかな紅葉が映りこむ絶景が見られるという。8月末ならまだ緑が濃い季節だから、それもまたキレイだろうと思って選んだのだが、ここから雲行きが少しずつ怪しくなっていった。
麓から白駒池まで、くねくねとした山道を通る。そこで車に酔ってしまう人が、ひとり、ふたり……。白駒池を楽しむ雰囲気でもなくなり、早々に草原屋に向かうことにしたものの、下りの山道でまたひとり。途中で車を止めて休憩し、再出発した時には、賑やかだった車内は、どんよりした雰囲気になっていた。青白い顔をした人たちを乗せ、いつ誰が吐いてしまうかという緊張感……。
それでも無事に草原屋に到着し、その日は外でバーベキュー。草原を散歩したり、庭のトランポリンで遊んだりしているうちに、みんなの顔色はだいぶ良くなった……と思っていたら、ヘルニアのSさん、トランポリンで飛びまくってグキッと腰を痛める。