未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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『旅の思い出』編 美食・アート・森・海・動物を堪能! 本当は秘密にしたい。プラチナ房総トライアングル

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.168 |25 August 2020
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#5家族の思い出の地へ

クルックフィールズから車で南へ40分ちょっと。そこは、我が家にとって懐かしい場所だった。未知の細道の第63回に登場した南房総の「馬森牧場」である。

馬森牧場の菅野さんに撮ってもらった一枚。

馬森牧場は、菅野奈保美さんがひとりで山林を切り拓いて作った馬だけがいる牧場で、8頭の馬たちが広々としたスペースでのんびりと過ごしている。初めて訪ねたのは、2016年2月で、その時の記事が「馬と共に歩んでいきたい 女手ひとつで作られた美しき馬森牧場へ」。

未知の細道 vol.63 馬と共に歩んでいきたい 女手ひとつで作られた美しき馬森牧場へ

この取材には僕と当時1歳の娘も同行していて、菅野さんが「ちびっこも馬に乗せちゃおう!」と娘を馬に乗せてくれた。最初は不安で泣き出しそうな顔をしていた娘が、馬が歩きだしてしばらくすると、楽しくて仕方ないという笑顔を浮かべて空を見上げた。この瞬間のことは、今も忘れられない。

初めて馬に乗って、嬉しそうに微笑む娘。

菅野さんは、よくあるお遊びの「乗馬体験」ではなくて、馬と人間の信頼関係や互いの心地よさを大切にしながらしっかり乗馬を教えてくれる。だから、学びもある。それを僕ら夫婦も気に入って、取材後に何度か訪ねていた。Sちゃんも一度、来たことがある。

それから3年ほど時間が空いてしまったけど、ここで初めて馬に触れ、馬に乗ったのがきっかけで娘は馬が大好きになり、近所の公園の「こども動物広場」で体験できる1回200円のポニーの引き馬に何度通ったことか! 馬森牧場は、僕ら家族の思い出の地なのだ。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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