未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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『旅の思い出』編 南相馬の「いま」をどう伝える? 風の編集者が土の人と雑誌をつくる旅

文= 小野民
写真= 小野民
未知の細道 No.169 |10 September 2020
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#5馬の余生を考える

毎年春と秋に行われる競馬大会での一コマ。出店なども並び家族連れでにぎわう

馬特集のインタビュー企画では、『厩舎みちくさ』へ。ここでは、『NPO法人引退馬協会』会長の沼田恭子さんと、震災後、被災した馬の世話係として派遣され、2016年にみちくさをつくった渡部南さんのお話を聞いた。

ここでもかわいい馬たちにたくさん出会えた。馬主からの預かり事業がメインで、野馬追に出る馬のなかにも普段はここで暮らしている馬もいるそう。2人のお話のなかでは、「本当に馬が身近な土地。牧草も地元で手に入れられたり、周りの方が馬と暮らすことに慣れているんです。これからさらに、子どものときから馬を愛するような教育をしていけば先進的な事例になるのでは?」(渡部さん)、「馬のいる景色を見ること自体、一般的には非日常なこと。馬はすごく穏やかでエネルギーを持っているから、身近に感じられるだけでも、そのエネルギーを分けてもらえる気がする」(沼田さん)との言葉が印象に残った。

みちくさの他にも、「馬とともに、持続可能なコミュティをつくる」ことをテーマに掲げる『NPO法人 相馬救援隊』が、馬の世話を体験できたり、馬に乗って写真を撮ったり、馬が身近になるようなイベントを多数開催している。私が最近申し込んだイベントは新型コロナウィルスの影響で中止になってしまったので、近いうちにリベンジ参加だ! とフェイスブックのイベント情報をチェックしている。

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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。