未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
172

東京都西多摩郡

小雨が降りしきるなか、家族や友人と向かった東京の秘境・奥多摩。5歳の娘にとっては、初めての山道だ。3時間ただ歩き続けた奥多摩の森や渓谷はワイルドで美しく、たくさんの生き物が暮らしていた。雨の奥多摩も全く悪くない……いや最高かも!?

文= 川内有緒
写真= 川内有緒
未知の細道 No.172 |26 October 2020
  • 名人
  • 伝説
  • 挑戦者
  • 穴場
東京都西多摩郡

最寄りのICから【E20】中央自動車道「上野原IC」を下車

【E20】中央自動車道「上野原IC」までを検索

最寄りのICから【E20】中央自動車道「上野原IC」を下車

【E20】中央自動車道「上野原IC」までを検索

#1終わりなき小屋ライフ

レインコートと長靴という姿で奥多摩に降り立った5歳。

ついこの間、うちの家族と友人の4人で奥多摩に行った。
シトシトと秋雨が降る肌寒い日で、奥多摩駅を降り立ったときの足取りはズッシリと重かった。なんでよりにもよってこんな日に? 罰ゲーム?
傍らには、今日何をするのかも知らずに連れて来られた、5歳の娘がいた。

どうして雨の日に奥多摩だったのか? いきなり話は、4年前に遡る。
その時の私の中には、「自力で小屋を建てたい」という奇妙な願望がむくむくと湧いていた。その願望は、日を追うごとに大きくなり、あるとき私は夫のイオくんと娘に呼びかけた。
「家族で力を合わせて小屋を建てようじゃないか!」
まだ赤ちゃんだった娘はミルクを飲みながらただキョトンとし、珍しもの好きな夫のイオくんは、やや戸惑いながら「いいね、やろう」と答えた。
かくして、川内家の小屋作りの奮闘が始まった。

その後は、山梨県の眺めの良い集落に通いながら、D.I.Yで小屋を建てている。ようやく屋根も壁もでき、寝泊まりできる、という状態まで行き着いた。完成まではまだ時間がかかりそうだけれど、仲間や家族と一緒になって無我夢中で何かを作り続けあげる日々は、高校の文化祭みたいで楽しいものだ。

しかしながら、人生は楽あれば苦ありである。
時には全く楽しくない瞬間があるのもまた真実である。
それは、ピンポイントに言うならば約1年前の秋の日のこと。あれはもう最悪だった。

その日は、小屋作りを手伝ってくれている友人とうちの家族の四人で、クルマで小屋に向かっていた。

朝早く東京を出発した20分後……あれれ、今日はやけにクルマが多いぞ、と思った5分後にはピタリと車の流れが止まった。
げげ、これは不吉な予感!

このエントリーをはてなブックマークに追加

未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
気になるレポートがございましたら、皆さまの目で、耳で、肌で感じに出かけてみてください。
きっと、わくわくどきどきな世界への入り口が待っていると思います。