
秩父シリーズは「おりを下げる」「濾過する」という手順が加わるため、どうしても値段が上がってしまう。もっとミードを気軽に飲んでもらえるよう、エレナさんは海外から蜂蜜を輸入し、無濾過で瓶に詰めた「DFBミード」シリーズも造り始めた。
秩父シリーズが1本3025円に対して、こちらは1本1320円で、手に取りやすい価格になっている。「DFBミード」は、オレンジの花、ライチの花、秩父産ブルーベリー果汁など地産フルーツも使用した無濾過のシリーズがある。
「ろ過シリーズは甘口の白ワインのような風味なので、ストレートに飲むのがお勧めです。無濾過のシリーズはちょっと濃いめなので、そのまま飲んで複雑みを味わうのもいいですし、なにかで割って飲んだり、アイスにかけてもおいしいですよ。飲み比べてもらうと味の違いがハッキリわかります」
ディアレットフィールド醸造所を立ち上げてから間もなく4年。最近は知名度も上がり、委託製造の依頼も増えている。例えば、「山形のサクランボの蜂蜜で」「新潟のケンポナシの蜂蜜で」などの依頼があるそうだ。そのミードはやはりサクランボとケンポナシの豊かな香りがするという。花が咲く果実があるところに、「ご当地ミード」の可能性があるのだ。
一般の人がミード造り体験をできるのも、気軽にミードを飲んでもらうための試み。ディアレットフィールド醸造所にある蜂蜜を使うか、自分が使いたい蜂蜜を持ち込むと、5リットルのミードを仕込むことができる。発酵期間を経て、1回3万3000円で12本の無濾過のミードが自宅に届く。ミードはハネムーンの語源にもなった縁起の良いお酒として知られており、夫婦で参加したり、友人同士で参加して結婚する友人にプレゼントしたりと、これまで30~40組が体験しているという。