未知の細道
未知なる人やスポットを訪ね、見て、聞いて、体感する日本再発見の旅コラム。
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別世界!?全日本毛がに早食い競争 ガブリ!と毛ガニにかぶりつく。

文= 川内イオ
写真= 川内イオ
未知の細道 No.286 |12 August 2025
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#3カニの爪で身を食べる

長万部の海岸。現在はホタテの養殖が盛ん。

内浦湾で毛ガニの漁獲量制限が始まったのが、1992年。以降、6月から7月にかけて操業が許可されている。カニの旬というと冬のイメージがあるけど、生活協同組合コープさっぽろが母体となっている旅行会社コープトラベルが運営する「おいしい旅 北海道」によると、北海道では年間を通して毛ガニが水揚げされていて、春はオホーツク海、夏は内浦湾、秋は釧路や根室沿岸、冬は十勝沿岸と、各地で漁期が異なるそうだ。

「現在は年に一回、6月20日から7月20日頃まで、約1ヶ月間、試験操業をしています。そこで獲れたカニを販売しているのがこの祭りで、年に1度の貴重な時期なので、道外からもたくさんのお客さんがいらっしゃいます」(長万部商工会事務局長、加藤さん)

「おしゃまんべ毛がにまつり」では2日間にわたり、釜茹で毛ガニの即売会が行われていて、サイズによって2000円から4000円の値がついていた。ググってみたところ、300グラム程度の一番小さな毛ガニでも通販で購入する場合は3000円前後で、500グラムを超えると1万円前後だから、かなりお得感がある。さすが産地直売! 祭りの二日間、この毛ガニを購入する来場者の長い列ができていた。

祭りの2日間とも行列ができていた。
立派な毛ガニがどんどん売れてゆく。

僕も、せっかくだからと一番大きな4000円の毛ガニを購入。重さはわからないけど、かなりの大きさとボリュームがある。

市場価格では1万円近くしそうな毛ガニを4000円でゲット。

販売している人に「ハサミがないんですけど、すぐに食べられますか?」と聞いたら、「はい!」とその場で教えてくれた。

 ① 毛ガニの腹側にある三角形の部分(ふんどし)を外す。
 ② ふんどしを外すと、甲羅が取れる。
 ③ エラを外す。

以上! とても簡単だ。驚いたのは、「カニの爪を使って食べてください」と言われたこと。なるほど、爪を爪楊枝代わりにするのか! 商工会の加藤さんも同じことを言っていたから、産地で根付いている食べ方なのだろう。

カニの爪で食べると、「通」な感じがする。(撮影:サオリス・ユーフラテス)
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未知の細道とは

「未知の細道」は、未知なるスポットを訪ねて、見て、聞いて、体感して毎月定期的に紹介する旅のレポートです。
テーマは「名人」「伝説」「祭り」「挑戦者」「穴場」の5つ。
様々なジャンルの名人に密着したり、土地にまつわる伝説を追ったり、知られざる祭りに参加して、その様子をお伝えします。
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