残念ながら、沢井さんも大西さんも上位入賞はならず。トップ3は接戦だった。3位は184グラム、2位は185グラム、そして1位は195グラム。なんと優勝者は女性だった。ルール改正の目的が、果たされたのだ!
「全日本毛がに早食い競争」初の女性王者は、東京在住で夏は別荘のある北海道で過ごしているという嶋野恵子さん。去年、友人に誘われて早食い競争に参加したものの男性陣の食べっぷりに圧倒され、「太刀打ちできないから今年はいい」と思っていたという。
ところが、今回、知り合いとお祭りに来たら「参加したい」という話になり、2名分の当日キャンセルが出たというアナウンスが流れた時、知人と真っ先に駆け付けたそう。キャンセル待ちからの優勝って、ドラマチック!
20杯の毛ガニを受け取った嶋野さんは「長男一家と一緒に住んでいて、次男一家も近所なので、東京に送ります。 まるで自分が買ってきたようなふりをして」と微笑んだ。
今回、おしゃまんべ毛ガニまつりの来場者はおよそ2万6000人(主催者発表)。これだけの人が毛ガニを食べたり、お土産を買ったり、早食い競争を見たりしたのだから、ますます長万部は毛ガニの町として人々の印象に残っていくだろう。そのきっかけとなった「かにめし本舗かなや」のかにめし弁当も、長万部の象徴的な存在として愛され続けるはずだ。
僕は、初めての毛ガニをおしゃまんべ毛がにまつりで食べた。早食い競争に出場して、殻やエラまで飲み込んだ。この先の人生で毛ガニを食べる時、今回の体験を必ず思い出す。そして、長万部の町に思いを馳せる。